「・・・・苦しかった・・・?」
由美さんは、喉に絡みつく精液にむせながら頷いた。
何度も咳をすると、気管に入った精液が飛び出し 手の平を汚していた。
「・・・イヤだった?」
苦しそうに咳き込みながら、由美さんは俺を見つめて首を振った。
手の甲で口を拭い、俺を見上げる。
「イヤじゃないわ・・・裕樹くんになら・・・」
初めてそう言われた時、俺は無条件に喜んだのを思い出した。
俺は由美さんの言葉を、『世界で俺だけが許された』・・・そんな風に受け止めていた。
他の誰かの存在など考えもしなかった。
何も知らない俺は、気づきようがなかった。
横山や山崎、横山のツレ、数えきれない人数の『客』
・・・そんなにも大勢の存在など知らなかった。
誰かと比べている言葉だなんて、思いもしなかった。
俺は由美さんの頭を撫でながら、吐き出した精液で汚れた右手を掴んだ。
手首を引き寄せ、由美さんの顔に近づけていった。
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