「・・・それって・・・ちゃんと調べたのか?」
横山は答えず、俺の目を見てニヤリと笑った。
楽しくて仕方がない・・・そんな雰囲気だった。
年下の・・・16歳のガキにタメ口をきかれている事に気づかないほど興奮していた。
そして、「ちゃんと毎回、俺の手に1万円を乗せてくれたよ」と言って、クックックッ、、、と笑った。
「気を付けろよ?・・・借金てのは慣れるからな・・・返済するたび、まるでプラスのように感じるんだ・・・いつの間にかな・・・」
まるで自分の実体験を話すような、リアルな声で話していた。
「心が罪悪感を忘れるんだよ・・・マイナスがゼロになっただけなのに、プラスのように感じて、まるで『ちゃんと出来てる』ような気分になっていくんだ・・・」
「最初の月は給料日まで近かったからな・・・『借り』は3万だったよ・・・で、返済できた・・・返済できたから、次の1万を借りるのは早かったよ」
そう言って、横山はニヤニヤと笑いながら、視線を宙に泳がせていた。
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