「おいおい、そんな顔で睨むなよ・・・」
よっぽど強張っていたのかもしれない。
横山はそう言って、ヘラヘラと笑いながら俺を見ていた。
「どっちかというと、俺はあの女を助けてるんだぜ?」
「・・・助ける?」
「そう、助けてるんだよ」
「でも・・・だって・・・」
お前は、由美さんを抱いていたじゃないか・・・
あんなにも乱暴に、自分勝手に・・・
そう思ったが、言葉にはできなかった。
この男は由美さんを抱いた。
いや、この男だけじゃなく店長までが 由美さんの体を抱いていた。
それは紛れもない事実・・・けれど、それを言葉にはできなかった。
口から出すと、認めてしまう事になるような気がしていた。
言葉を詰まらせた俺を見ながら、横山はニヤニヤと笑っていた。
「最初は、店長に相談してたんだよ・・・」
そう横山は話し始めた。
俺は何も言えず、黙って聞いていた。
パートの時間を増やしてほしい・・・由美さんは、店長に何度も頼んでいたらしい。
よく事務所で仕事をサボっていた横山は、その光景を何度も見かけ、ある日 由美さんに話しかけた。
「金に困ってるの?」そう聞いた時、由美さんは悲しそうな顔をしたらしい。
そして、箍が外れたように、全てを話していった。
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