視線の先、事務所の窓に光は無かった。
俺は何も考えずに、あの夜と同じように体を屈めて窓に近づき、ゆっくりと中を覗き込んだ。
壁の時計は6時25分を指していた。
電源が入れっぱなしのパソコンが、机の上から部屋の中を照らしていた。
弱々しい青い光が 部屋の中をぼんやりと照らしている。
ソファーに座る人影が見えた瞬間、一気に興奮した。
全身が かっと熱くなるのがわかった。
顔から汗が吹き出した。
顔は暗くて見えなかったが、シャツの柄で ソファーに座っているのが大学生の横山だとわかった。
全身を背もたれに預け、足を広げて浅く腰掛けている。
由美さんの白い体が、弱い光を反射していた。
俺の方に背中を向け、横山の足の間で床に座っている。
長くて美しい黒髪を、横山の右手が束ねるようにして掴んでいた。
由美さんの頭を乱暴に揺らしている。
俺からは見えないが、左手は胸を揉んでいるようだった。
喉はカラカラに乾いていたが、何度も何かを飲み込む動きをした。
汗が垂れ、顎から落ちるのを感じながら、俺は部屋の中をジッと覗いていた。
そして音を立てないように気を付けながら、窓を静かに2センチほどずらした。
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