ぼんやりと眺めていると、事務所のドアから男が出てきた。
ニヤニヤと笑い、ポケットに手を入れ、浮かれた雰囲気で歩いている。
短い髪の毛を中途半端にダサい金髪に染めた、山崎店長の次に嫌いな横山とゆう名の大学生だ。
その姿を見て、俺はなぜかモヤモヤとした。
理由の分からない不安を感じながら、俺は飲みかけの缶コーヒーをゴミ箱に捨て、休憩時間の残りを考える余裕もなく裏口からスーパーを出た。
遠くに見える事務所の窓の光に向かって、作業員用の暗い駐車場を歩いていった。
その先に何があるのか、想像もしていなかった。
けれど、体は無意識に緊張していた。
理由もわからず興奮していた。
そして、俺は事務所の窓に体を屈めて近づいた。
いつの間にか、額に汗をかいていた。
心臓が高鳴っていた。
そのままゆっくりと、俺は窓を覗き込んだ。
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