「・・・みんな、羨ましいわ」
俺の隣で由美が呟いた。
全員の視線が由美に集まる。
「あ、違うの、えっと・・・」
オドオドする由美。
そんな由美に向かって、最初に口を開いたのは優子だった。
「は?・・・えっと・・・何言ってんの?」
「そうですよ・・・」
口の中のものを飲み込んだ紗季が続く。
「今、私達が一番『羨ましい』って思ってる人が、何言ってるんですか」
紗季の言葉に、優子はうんうんと頷いている。
「順調だと聞いてますよ・・・発育だけじゃなく、何回検査しても、病気や障害の可能性は極めて低いとも・・・」
こうゆう時には医師免許を持つ・・・しかも外科や内科とは違う、毎日のように生命の誕生に立ち会っている産科のある病院に勤める医者の言葉は心強い。
由美は無言でお腹を撫でていた。
それはそれは幸せそうに微笑んでいる。
その腹は、少しだけぽっこりと膨らんでいた。
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