(・・・・今日は、コイツかよ・・・)
ピルを飲むようになってから、優子は毎月、婦人科を受診していた。
退屈でつまらない時間だったが、真面目を絵にかいたような男が自分の体を見てオドオドする姿は面白いと感じていた。
分娩台で足を広げて待っていると、カーテンの向こう・・・自分の足の間で、男性医が息を飲むのを感じる。
ついさっき、問診をしている時には・・・椅子に座る姿を見た時には、真面目そうとしか思わなかった少女。
そのスカートの中が永久脱毛され、クリトリスにはピアスが光っているのだから 男性医を責める事はできないだろう。
そして、優子にとって一番つまらない・・・いや、嫌悪している医者が、今日は優子に問診していた。
その医者は、今日も長い黒髪を頭の後ろで束ねていた。
黒い縁の大きなメガネに、年齢を幼く見させる小さな丸い顔。
清潔感を感じさせる白衣の下は、まるで公務員のような特色のないブラウスと、椅子に座っても膝まで隠れる黒いスカート。
身長は優子よりも低く150センチに満たないかもしれない。
簡単に折れてしまいそうなほど細いのに、胸だけは優子よりも『女』で、おそらくHカップの母親よりも大きい・・・
その胸には『陣内 紗季』と書かれたプレートを付けている。
(男ならよかったなぁ・・・コイツ、私の事を軽蔑してるみたいだし・・・)
女性である紗季が男性医と真逆の反応をするのも、本来なら責める事はできない。
自分と同じ性別の女が、ピルを求めて受診するのだ。
生理不順などと理由をつけているけれど、その卑猥で下品に改造された股間を見れば、用途など分かり切っている。
35歳になる今日まで 誰よりも真面目に勤勉に、時には同性から侮蔑されながらも ずっと頑張ってきた紗季にとって、それは許容できるはずのない現実だった。
紗季は前回もそうだったように、イライラする気分を隠そうともせず問診をする。
そんな紗季に、優子もまたイライラしていた。
何かしてやりたい。
悪戯でも何でもいい。
この女に何か・・・そう思いながら、イライラする気分を隠そうともせず問診に答えていった。
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