(・・・・・・・・・・あぁ~・・・・・暇だなぁ~・・・・)
4時間目の授業を聞き流しながら、優子は黒板の上にある時計を見ていた。
廊下側の一番後ろ・・・いつの間にか定位置になった自分の席で、退屈そうな顔をしている。
あの日以来、今 黒板の前で授業を進める教師だけじゃなく担任までもが諦めるほど、優子は学生生活への興味が失せていた。
分かりやすく露骨な問題・・・とはいえ、優子の抱える『問題』が両親の離婚だと思っている教師たちに解決はでるはずがない。
プライベートで繊細な問題だと思っているのだから、そもそも問題に立ち入る勇気や時間があるはずもなく、勘違いをただす事さえされなまま、何となくで放置されている。
それは、もちろんクラスメートも同じだった。
(・・・・ん~・・・やっぱ、裕樹くんと同じ高校が良かったな~・・・)
(そしたら、休み時間のたんびに・・・トイレでも、ママの代わりに・・・)
(ん~・・・知ったの、高校に入ってからだったからな~・・・仕方ないかな~・・・)
(あ、御主人様・・・頑張ってるかな~・・・メールとかしたら邪魔かな~・・・)
(でも、『うるさい』とかで良いから、返信もらえないかな~・・・嫌われるかな~・・・)
(・・・次は、ママも参加させるって・・・『強化合宿』のために有休貯めるって頑張ってるからな~・・・)
(ん~・・・・ママを参加させるためじゃなくって、私のために頑張れよ~・・・・だよな~・・・)
机についた左手に頭を乗せ、大切な男達を考えるうち、無意識に右手が股間に伸びた。
スカートの上から股間を・・・チェーンの先にある鈴を揺らして鳴らして遊びはじめる。
退屈を誤魔化すように、指は少しずつ激しく動いていった。
しかし、ふと視線を感じた瞬間にそれあ止まった。
・・・・・ちっ・・・
無意識に舌打ちをしていた。
その音は教室に響いたが、筆音に掻き消され 誰も反応はしなかった。
ただ優子の睨む視線の先・・・さっきまで優子を見ていた1人の生徒だけは違った。
優子とは違う理由で、優子の隣・・・廊下から2列目の 一番後ろの席に座る男子生徒だけが、優子の舌打ちの音に反応した。
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