その日、私は娘に連れられ、公園の中に入って行った。
その先に何が待っているのかを知っていた。
だからこそ、不安な気持ちで遊歩道を進んだ。
まだ日は落ちていないのに、木々に囲まれた道は暗かった。
風に揺れて擦れる葉の音が、私の不安をさらに煽っていく。
「ほら・・・ママ、早くっ」
娘は慣れた足取りで、私の手を引いて歩く。
ここに来たことを後悔している私とは対照的な、待ち切れない雰囲気の笑顔を浮かべている。
坂を進むにつれ、娘は待ちきれない雰囲気で私の手をグイグイと引っ張っていった。
そして東屋が見えてくると、私の手を離して駆けていった。
木だけで作られた四角い東屋。
ガッシリとしたテーブルを囲うように設置された、背もたれのないベンチ。
その一つに、男が座っている。
体をこちらに向け、テーブルを背もたれにしている。
広げた両手の肘をテーブルに上げている。
尊大な雰囲気で、足を広げて座っている。
私を取り残した娘は、その両足の間に跪いていた。
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