「斉藤さん…いや、恵美ちゃん。試しに、ちょっとその首輪を嵌めてみなさいよ!」
チーフは更に目を輝かせながら斉藤さんに命じた。
私も思わず息をのんで二人のやり取りを見つめた。
「私…これ嵌めたら…ただの雌犬になっちゃいます」
そう言いながら、斉藤さんはスカーフを外して手慣れた手つきで犬用の真っ赤な首輪をキュッと嵌めた。
「あらいやだ、なんて可愛らしい小犬ちゃんかしら。なにか芸もできるのかしら?」
チーフはペットの飼い主のように斉藤さんの頭を撫でながら質問している。
「はい、お座りやおちんちんができます。」
「そうなのね、それは乗務に活かせそうね。お客様も悦びそうね。ちょっとやって見せなさい!」
「わんわんっ!」
斉藤さんは旦那さんの前でいつもやっているのか、迷い無くお座りやおちんちんをやってのけた。
「あらあら、抵抗なくやっちゃうのね可愛いわ。
そうだ、景子さん、あなたもやってみなさいよ」
「えっ!?…私も…ですか」
「えぇ、あなたもよ!あなたはどんな犬になるのかしら…楽しみだわぁ」
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