「なぁ・・・来るかな?」
少し不安そうな声で、全員の顔を見渡しながら春樹が言った。
「・・・来るさ・・・来るよ、絶対・・・」
達也が興奮した声で答える。
それが何の根拠もない、ただの願望だと全員が思っていた。
けれどそれを指摘する男は誰もいなかった。
毎年恒例の慰労会とゆう名の温泉旅館。
去年も一昨年も同じだった温泉宿の一室で、いつも居酒屋で由美さんを囲む5人はヒソヒソと話していた。
話題は、ずっと由美さんの事だった。
宴会終わりに「部屋で飲みなおはないか?」と誘った。
由美さんは俺達の顔を順番に見つめ、「今からお風呂よ・・・ま、上がってまだ飲みたかったらね」と言ってクスッと笑いながら、露天風呂に向かって歩いていった。
車で1時間ほどの距離にある、この場の・・・とゆうか地元に住む全員が、年末年始に、盆に、両親に連れられ子供の頃から通った温泉街。
地元に住む連中には何の珍しさもない温泉宿の一室で、いつも由美さんを囲む5人が・・・興奮した顔で、浴衣姿で話していた。
「なぁ・・・由美さん・・・」
「・・・あぁ・・・」
「浴衣の下・・・ブラ、着けてなかったよな?」
「・・・・・あぁ」
達也の言葉に答えるのはノブだけだった。
けれど他の男達も全員が、無言のまま頷いていた。
「・・・あのまま来る・・・かな・・・」
「・・・・・・来るさ」
「けど、あんなカッコで来たら、それって・・・」
「・・・・・・・・・あぁ」
「ブラも下着も無しで・・・浴衣だけで来たら・・・」
「・・・・・あぁ・・・そう・・・かもな・・・」
男達は願望を膨らませていった。
※元投稿はこちら >>