「・・・でも・・・それって、どうするの?」
「・・・・・・どう・・・って?」
「アンタが言い出したんでしょ?だからほら、ギリギリ・・・って、例えば何よ」
由美さんは いつもこうだ。
下品な猥談に囲まれているのに話を止めない。
『したい』『やってみたい』とは決して言わないが、話の内容を進めていく。
「・・・あ・・・あぁ、だから例えば・・・えーっと・・・」
「えーっと、例えば・・・そうだな・・・」
そんな風に間抜けに悩む男の横で、一人が叫んだ。
「・・・・・・あっ!」
テーブルを囲む全員が、その男に顔を向けた。
男は急に全員から注目され、少しオドオドとしながら話していった。
「・・・あっと・・・えーっと・・・だから、例えば・・・例えばなんだけど・・・今からこのトイレで、下着を脱いでくる・・・・・・とか・・・?」
や、だって罰ゲームだしさ。
他の客にはバレない・・・と思うし、あのオヤジ連中にも・・・
で、ここの席のメンバーだけにエロエロになれてる・・・
・・・・・・とか・・・かな・・・?
いい年をした男は顔に汗をかきながら、そんな風にモジモジと話した。
そしてその男の決死の努力を、由美さんの言葉が切り捨てた。
「・・・・・・ムリよ・・・」
・・・えっ?
男達は、全員が由美さんに視線を向けた。
それは全員が、もしかしたら・・・あわよくば・・・そんな事を思っていたからかもしれない。
もしかしたら、ちょっと大げさに笑いながらも下着を脱いでくるんじゃ・・・そんな期待が裏切られたからだろう。
由美さんは、まるでからかうように微笑んでいた。
そして男達の目を順番に見つめてから言った。
「・・・ムリよ・・・・・・だって履いてないもの、下着なんて・・・」
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