その日は、いつも通りに始まった。
5ヶ月の空白が嘘のように、恒例だった我が家での飲み会は、何も違和感がないほど自然にスタートした。
テーブルの中央にはいつも通り、季節に関係なくメインに選ばれる鍋があった。
そしてその周りを刺身や煮物、サラダや揚げ物が囲んでいる。
いつも通り、全てが妻の手料理だ。
仕込みから手間と暇をふんだんにかけられた、万人が舌鼓を打つだろう絶品の手料理だ。
妻は、一見ガサツに見えてしまう。
関係が浅い人ほど そう思っているだろう。
男女に関係なく筋を通し、年下であれば男だろうと遠慮なく『後輩』扱いをする。
勝気で、豪快で、まさにザ・体育会系だ。
けれど、本当は違う。
その内面を知れば知るほど繊細だ。
こちらが驚くほど周囲に気を配っている、献身的・・・とゆう言葉が似合う、家庭的な理想の奥さんだ。
決めた事には一生懸命、認めた事には死ぬまで守り、惚れた男には全身全霊。
思い返せばソコこそが、俺がプロポーズを決めた いろいろある中でも一番の理由だった・・・そんな事を思い出すくらいの完璧な食卓だった。
そしてそんな最高の食卓を囲み、俺は久しぶりに清々しい気分になった
そして、5ヶ月前までと同じように自然に食事が始まった。
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