それからの俺は・・・そこからの数日間は、妻の視線から逃げ回った。
それは『どうしていいか分からない』からだった。
そしてようやく妻の視線と向き合う決心をした、あの夜から数えて5日後・・・木曜の夜に、妻から「寝室を分けたい」と提案された。
「プライベートな空間が欲しくなった」
それが妻の用意した言い訳だった。
夫婦としては違和感のある・・・けれど、絶対にダメとも誰もしていないとも言い切れない言い訳に、俺は異論を唱える余裕もなく即答で許可してしまった。
妻が自分の部屋に選んだのは、玄関から入ってすぐ・・・リビングに繋がる廊下にある、3LDKのマンションの中で一番狭い部屋だった。
『引越し』は、俺が許可をだしてから数時間で終わった。
一つを疑えば、別の一つが疑わしく感じた。
そんな風にじわじわと、全てを疑うようになっていった。
それこそ 後輩が俺を昼間に誘わなくなったことや、数年前から続いている妻のパートのシフトまで・・・・確かめる勇気もないくせに、些細な事まで全てを疑うようになった。
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