「・・・小百合さん・・・だよね?」
あの夜、カラオケまで行ったメンバーと再会したのは、意外な場所だった。
月に何度か行く取引先・・・その一階ロビーの受け付けに、石川小百合は座っていた。
そこまで物覚えの良くない俺がフルネームまで暗記していたのは、もちろん興味があったからだ。
150センチに満たない細くて小柄な体と、そのサイズに比例した小さな顔。
人妻であり中学生の母だとは思えない幼い表情を浮かべる顔の下には、今は制服の野暮ったいブレザーに隠れているが、ふくよかな紗季のDカップよりも大きな体積の胸がある。
あの日は触れようとしたら逃げられたが、後ろから誰かに揉みあげられた時の柔らかそうな揺れを思い出していた。
そして小百合もまた、好奇心旺盛な女の一人だ。
なぜなら、あの日、唇を重ねた3人は、陽子さんと紗季・・・そして小百合だったのだから。
俺はあの夜の唇の感触を思い出しながら、それを顔に出さないように努力しながら話した。
「久しぶり。この会社だったんだね、知らなかったよ・・・」
受け付けのカウンターに肘を置き、俺はアポまでの15分ほど話し続けた。
小百合の少し気まずそうな笑顔を見ながら、あの日のキスが・・・旦那以外の男に唇を許した経験が、この幼い人妻の心に トゲのようにしっかりと刺さっている事を確信していた。
そしてだからこそ、ここで決めないといけないと思っていた。
キスだけでこんな反応をする小百合は、今逃すとこのまま心を閉じてしまうと確信していた。
だから俺は卑怯だと思いつつも「そういえば覚えてる?あの日、俺と・・・」そこまで言ってから言葉を止め、『1時間だけ』と誓いながら、夕方の待ち合わせの約束をとりつけた。
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