由紀の報告も楽しみだ・・・
家族でショッピングモールに出かける直前から、家に帰るまで・・・
移動は旦那の運転する車だと言っていた・・・
どんな顔で助手席に座ったのだろう・・・
そしてどんな顔をしながらショッピングモールを歩いたのか・・・
そうやって思考を由紀にやると、気づいたのか・・・それとも『女の勘』とゆうやつか・・・俺の体をきつく抱きしめる紗季の体がピクッと動いた。
「・・・ね・・・わたし・・・何でもできるよ・・・」
「ん?・・・どうした?急に・・・何でも?」
「うん、何でも・・・なんか、凄い幸せを感じてる・・・人生で最高に・・・」
紗季の優しい声に、俺は自分の下衆な思考から出た下品な命令を思い返し、何も言えなかった。
「なんか、したい事を言うのは普通じゃない?・・・特に男は、自分勝手な事を言うし・・・でも、本当にしたい事を隠したりとか、あるよね・・・?」
「ストレートにぶつけられて、なんか嬉しかった・・・で、なのに私の事を一番に考えてくれてて・・・なんか、幸せ・・・」
これは・・・
・・・何と言うべきだろうか
誕生日プレゼントを買いに行ったセレクトショップで、2つどころか3つ4つと商品を突きつけられ「どれが良いと思う?」と聞かれた気分で、俺は『出来るだけ無言』のコマンドを選択した。
「なんて言ったらいいかな・・・・・とにかく、もう大丈夫・・・もう、一生このままだよ、私・・・・・今からどれだけ酷いことされても、どんな事を求められても、全部できるし全部してあげたい・・・なんか、自分で自分がわかるの・・・絶対そうだって自信があるの・・・・」
俺は紗季の頭を撫で、抱きしめながら、『由紀も、同じような事を言ったよ・・・』と言わなかった自分を心の中で褒めていた。
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