玉置夫妻と知り合って半年。
今では克司、蓉子夫婦には、何のわだかまりも無かった。
お互いの事は、何でも赦せた。
蓉子は夫の命令で、玉置夫婦のところに一人で行って、裸体のモデルをするようにもなっていた。
蓉子をモデルとしてから、彫刻家としての玉置も新しい時代に踏み込んだと評価されるようになり、傑作と呼ばれる作品が数点創作されたが、それらは全て蓉子がモデルとなっていた。
大学に進学して一年目の春、夏休みも年末年始も、サークル活動や新たな友達との交流、それにアルバイト等で人生経験を積んだ娘が、久しぶりに帰宅した。
彼女も初めて熱烈な恋愛をし、今度の帰宅はその報告でもあった。
つまり彼を連れて帰ったのだ。
娘は美しくなっていた。
しかしそれ以上に、母親である蓉子も美しくなっている。
家の玄関に、裸女の彫刻のレプリカが置かれていたが、それを見た娘の彼は
「あの子のお母さんに、似てる気がする..。
それにしても、きれいな裸だな..。」
と、つい見入ってしまい、娘から、からかわれていた。
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