その日のモデルとしての仕事は、夕方早い時間で終わった。
それからの時間は、克司は玉置からコレクションの彫刻や絵画集、写真等を見せてもらっていた。
女性の裸体を扱った芸術作品は多いが、彫刻ではほとんどの作品は女性の性器は無かったことにして作成されている。
絵画では、ごく一部の裸体画では克明に陰毛を描写したものもあったが、さすがに赤い亀裂やその中身まで描いた物は無いようだった。
「ところが、そこを描くのが好きな人もいたんですな。」
玉置が取り出した画集は、聞いたことの無い画家のものだったが、開いた途端に克司はおもわず「おっ!」と声を上げた。
30代の女性が、両足を立てて広げ、椅子に座っている。
顔は目を閉じて横を向いているが、明らかに玉 置夫人だった。
両足の間には、黒黒とした茂みと、その隙間から見える赤い肉の亀裂が生々しく描写されている。
「これは?
奥さんですよね?」
克司の問いに、玉置は
「こちらもご覧なさい。」
と別の画集も見せてくれた。
こちらはずっと若い、いや幼い少女の裸体が描かれているが、やはり夫人の面影がある。
「妻です。これは14の頃です。」
画家は、純真で可憐な少女を描いたつもりだろうと思われたが、何故か克司には、その年齢の少女らしからぬ大人の色気と言うか、不思議に性的な興奮を感じてしまった。
おかしいな?
俺はロリコンではなかったはずだが..。
その怪訝な表情を見て、玉置は満足そうに頷いた。
「やはり貴方も、妻の不思議な魅力を分かってくれるようですね。」
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