克司の目覚も、早かった。
昨夜あれだけ精力を使ったのに、6時過ぎには快適な気分で目が覚めた。
少しハードな運動をした後ぐっすり眠り、充分休息が取れて気持ちよく目覚た感じだった。
身体を起こすと、そこに浴衣姿の妻が正座していた。
「あなた..、昨日からとっても可愛がってくださって..、ありがとうございます。」
蓉子はそう言うと、深々と頭を下げた。
妻がふざけているのではないのは、はっきりと分かった。
「うん。お前も、よく耐えてくれたね。」
夫の言葉に、また赤面する蓉子だった。
やっと7時を過ぎた頃で、まだ日の出前だったが、二人は浴衣姿で大浴場に向かった。
昨日穿いていたショーツを部屋の洗面台で手洗し、空調の吹き出し口の近くに干していたのだが、それがなんとか乾いていた。
大浴場に入ると、そこに昨夜会った高齢の夫婦が入っていた。
それも奥さんは、昨夜蓉子が座ってオナニーを演じたあの岩に座り、両手を空に差し上げて、何らかのポーズを取っていた。
それを旦那さんはお湯に入って見ながら、何かポーズについて指示しているのだ。
克司達が入ってきたのに気づくと、二人は振り向いて挨拶をした。
克司も挨拶を返す。
それから旦那さんと克司、奥さんと蓉子の間で雑談が交わされた。
昨日の午後に話をしたご夫婦と同じで、仲の良いご夫婦だが、普通のご夫婦と違うのは、旦那さんが彫刻家で、奥さんがモデルを務めていると言うことだった。
「正直言いますと、昨夜おたくの奥さんが、この岩で愛らしい事を演じておられたのを見て、何かとても良いインスピレーションが閃いた気がしたんです。
それで昨夜も今朝も妻にここでポーズを取ってもらっていたんだが、どうも今一何か違う気がしましてね。」
そうは言っても、昨夜蓉子が演じたのはオナニーショーであり、奥さんが取ってたポーズとは全く違っていた筈だった。
克司は、芸術家の感性は理解し辛いと思ったが、その時に蓉子と話していた奥さんが、急に旦那さんに話し掛けた。
「あなた。こちらの奥さんに、ポーズをお願いしたら?」
えっ?私をモデルに?
あちらの奥さんは年齢は上だが、ほっそりとしてスタイルはいかにもモデルさんだ。
でも私は、昔は若いなりにスタイルも良かったが、今はこのとおりぽっちゃりの弛んだおばさん体型なのに。
しかし克司はまた妻とは違う事を思った。
俺の妻が彫刻のモデルになると..、あの裸が彫刻となって残る訳か。
それも、何人もの人の目に触れて。
今では妻をたまらなく愛してる克司にとって、そんな愛してる妻の裸体を他人に晒すと言う魅力は、充分価値があった。
これが肉体的な貸し出しや寝盗られ等だったら、絶対に克司は受けなかっただろう。
しかし彫刻のモデルなら..。
克司は愛する妻が、この彫刻家とその奥さんの前で裸でポーズを取らされているシーンを想像すると、我知らずに興奮してきたのだった。
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