夫は、いきなり蓉子の乳首に爪楊枝を刺したわけではなかった。
まず、その強い指で蓉子の左の乳首を、ギュッと摘まむ。
「ひっ!」
蓉子は、思わず声を上げた。
あまりに強く摘ままれたため、その先は痺れるようだった。
夫は、その痺れた部分を、チクチクと小刻みに爪楊枝でつついていったのだ。
グサッと刺されることを想像していた蓉子にとっては、本当に優しい、ありがたい責めだった。
もちろん全く痛くない訳ではない。
ギュッと摘ままれている自体が、蓉子にかなりの痛みを与える。
その上で、尖った先端で何度もつつかれるのだ。
刺さりこそしないが、その痛みはかなりのものだった。
「くっ!ううっ..。」
食い縛った唇から、うめき声が漏れる。
「どうだ?
いくらお前でも、これは痛いだろう?」
夫が言ったのは冷酷そうな台詞だったが、蓉子にはその後ろにある温かさを十分感じられた。
「はい..、でも..もっと..」
ためらい勝ちの返事は、責めている克司の心をさらに熱くする。
「そうか!それなら、こうだ!」
それまでは、チクッ、チクッ、とつついていたのが、連続してチクチクチクチクと小刻みに刺し続ける。
「ひっ、ひっ、ひーっ!」
もう声を我慢出来ない。
蓉子はかなり大きな悲鳴を上げた。
あまりの声に、克司はこれはやらないでおこうと思っていた事をせざるを得なかった。
ソファーの側のテーブルに置かれた、小さく丸まった青い布。
男をムラムラとさせる芳ばしい香りを発している。
それは蓉子が脱がされたショーツだった。
克司は妻の淫液が染み透ったショーツを広げ、妻の前に晒した。
「これを咥えさせる。口を開けろ。」
自分が汚した下着を咥えさせられる。
SMの読み物で時々見る屈辱的な責めだ。
蓉子も、ご主人様である俺のぺニス等の汚れた物に対しては、奴隷として受け入れてくれるようになってきた。
しかし、自分の汚した下着を口に入れられるのは、やはり無理だろう。
妻を縛り直す時まで、克司はそう思っていたのだ。
しかし、この妻の淫声は大きすぎる。
責めを止めるか、それとも声を塞ぐか?
その時点でも、もし蓉子が顔を横に振ったら、ショーツを妻の口に押し込むことは、止めるつもりだった。
「口を開けろ。」
と夫から言われて、蓉子はじっと目の前の自分の汚したショーツを見つめた。
ゴクリッ。
一度だけ唾を飲み込むと、蓉子は素直に口を開けた。
ご主人様が..、お望みなんだわ..。
夫が口に入れてきた布きれは、口から鼻に掛けて、くらくらする程の生臭く淫靡な香りを放っていた。
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