数歩歩んで、蓉子は夫が座る後ろに膝ま付いた。
タオルに石鹸を塗って泡を立てながら、蓉子は何となく視線を感じ、ふと周囲を見渡した。
すると、視界の中の広い浴槽内に入っている人、洗い場に座ったり立ったりしている人、そして山の岩に座っている人等、さっきお湯に浸かっていた時には居なかった筈の大勢の単独男性が眼に入った。
そのほとんどの視線が、蓉子の方を見ていた。
ど、どう言う事なのかしら?
さっきまでほんの少ししか居なかったのに!
それに、なぜ私の方を見るの?
激しい羞恥が、再び蓉子を捉えた。
見られたくない!
そう思うと、出来るだけ自分の乳首を見せないようにと、蓉子は自分の身体が夫の陰になるように夫に不自然に接近して、その背中を擦り始めた。
動きもぎこちなくなった。
そのせいで一瞬ではあるが、蓉子の乳首が克司の背中に触ってしまった。
蓉子の乳首から全身に、官能の電流が流れ、蓉子は思わず、
「あっ!」
と悲鳴に近い声を上げてしまった。
克司が「どうかしたのか?」と聞くと、もちろん羞恥の為に本当の事は言えず
「いえ、ちょっと..」
と答えた。
しかし夫である克司は、自分の背中に触った硬い感触が、妻の勃起した乳首である事を察知した。
もちろん触られた方も気持ちがよかったが、そそれよりも、妻が裸体を他人に晒されて、羞恥の中で的興奮をしてくれた、と言う事に対して、性的な興奮をしてくれた事を可愛く思った。
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