「・・・それで?」
玲奈は、まるで今まさに悪戯をしている最中のような 楽しくて仕方がないとゆうような笑顔で、けれど興奮の熱のこもった視線で由美を見ながら、次の言葉を促した。
由美は少し言い淀み、躊躇ったような表情で玲奈を見た。
けれど玲奈は、そんな風に肩をすぼめる由美の心情をわざと無視して、笑顔のまま、無言のままプレッシャーだけを与えて待っている。
「・・・それで、直人はまた、私にバイブを・・・」
無音のプレッシャーに負けた由美が話し始めると、ようやく玲奈はアイスコーヒーに手を伸ばしてストローを咥え、、、けれど視線は由美の目を射抜いたまま、静かに飲んでいった。
あの同窓会から約1ヶ月・・・これで10回ほどの待ち合わせだったが、もうすでに2人の間には絶対的とも言える力関係が確立されてしまっていた。
・・・・いや、初めてこうやってターミナル駅の喫茶店に呼び出された日から、それは決まっていたのかもしれない・・・そう由美自身が感じていた。
「・・・・・・ふぅ~ん・・・」
由美の告白を聞いた玲奈が、アイスコーヒーをテーブルに置いてからゆっくりと話しはじめる。
意地悪な笑顔のまま、由美の目を視線で射抜いたまま・・・
「由美って、もうすっかり直人の虜ね・・・」
「・・・・・・そんな事は・・・」
『そんな事はない』と言いかけた由美を、玲奈の視線が遮った。
由美はまるで天敵に睨まれた動物のように さらに肩をすぼめて小さくなる。
「・・・そうよ・・・そうに決まってるわ・・・だって」
そう言いながら玲奈は楽しそうに、嬉しそうに説明を始めた。
その声の大きさに喫茶店の店内を不安そうに見渡す由美の態度を無視し、その声色を興奮に染めながら続けていく。
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