ドキッとした。
肺が押しつぶされたような、心臓が握りつぶされたような痛みを感じた。
そんな私の反応を楽しむように、玲奈はまた 口に右手を当てて ククククク・・・ と笑った。
「大丈夫よ・・・だって、私も同じだしね」
玲奈は まだ笑いながら、楽しそうな目で私を見ながら続けていく。
「でも凄いわ、驚いちゃった・・・・私なんて1人ずつ、3人で限界だったのに・・・」
言いながら玲奈は、たった今 宴会場に入ってきたおそらく昨夜の『客』だったのだろう男に笑顔で手を振った。
恥ずかしそうに顔を逸らした男の反応に 意地悪そうな顔で「クククク」と笑う。
それから 離れて座り朝食を食べている4人の男を順番に見ながら「あんなに真面目だった由美が、まさか4人・・・・なんてね」と言葉を続けた。
そして急に私を振り返った。
「ね、だから 秘密にしてあげる」
ニコニコと笑いながら、覗き込むように私の目を見つめてくる。
「だから、連絡先 交換しない?」
「教えてくれないなら、他の人に聞いてもいいよ」
「でも、私なんかが由美の連絡先なんて知りたがってたら、理由を聞かれると思わない?」
「言えないでしょ?・・・・あの子、『私と同じ』だから、お友達になりたいの・・・なんて」
「4人の男を同時に相手にできる女だから・・・なんて、言えないじゃない?」
脅迫されている・・・と感じた。
嬉しそうな笑顔で、私は脅迫されているんだと。
楽しそうな声で、優しく丁寧に説明をしながら脅されているんだと。
断れば どうなるかわかるよね?
全員にバラされたくないでしょう?
そう脅されていると思った。
私が携帯を取り出すと、玲奈は 嬉しそうに何度もアリガトと言いながら、私の番号を登録した。
※元投稿はこちら >>