朝食は、夕食と同じ宴会場に用意されていた。
同じ広さの広間、同じように畳に並べられた黒いお膳の列、、、けれど朝日のせいか、宴会をしていた時とは全く違った印象をうける。
5人は、誰かが言ったでもなく わざとらしいほど離れて座った。
そんな由美に1人の女が小走りで近づき、隣に座った。
女の事は、もちろん由美も知っていた。
他のメンバーと同じ高校のクラスメート。
名前は玲奈で、学生時代も今も、由美とは正反対の存在だ。
由美は今も昔も艶やかな黒髪で、玲奈は長さこそ同じ腰まであるが昔からずっと茶髪にしている。
生徒会に入っていた真面目で成績優秀な由美と、クラスの委員すら逃げ 時には授業をサボっていた玲奈。
自ら風俗嬢だと自己紹介しながら笑い、昨日の宴会でも同級生にまで『営業』していた。
就職して結婚し、子供をもうけた由美からは想像もできない。
そんな玲奈が、起きたばかりといった雰囲気のボサボサの髪で、楽しそうな笑顔で由美の顔を見る。
そしてクククと笑うと、由美の目を見ながら「昨日は『お楽しみ』だったみたいね」と囁いた。
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