奥さんは電話に出なかった。
俺は心配で仕方なかった。
今まで何度も奥さんが心配になった事はあったが、この時ほど心配になった事はなかった。
今まで、俺にとって奥さんは愛する女性では無かった。
好きか嫌いかで言えば、もちろん好きだった。
むしろ大好きだったし大切だった。
ただ、その「好き」とか「大切」という感情も恋愛感情では無く、あくまでも自分の所有物的な、性処理をする為の女としての「好き」とか「大切」だった。
俺は奥さんに対して恋愛感情は無かった。
もちろん、あんな美人な奥さんと、自然な出会い方をしていたら恋愛感情を抱いていたに違いない。
だけど、俺と奥さんはいきなりセックスから始まった。
それから俺と何度も会いセックスを重ねた。
俺の言いなりに足を開き、ほぼ毎日オマンコの写メを送りつけてくる奥さんは、俺にとっての都合の良い肉便器や性処理だった。
その奥さんを繋ぎ止めて置くために、好きとか言った事はあった。
だけど、心底からの感情では無かった。
ただ単に美人な奥さんとセックスを楽しみたい。
それだけの感情だった。
この時も最初は「俺の女を貸してやったのに汚しやがった。」という、どことなく物を貸して汚されたっていうムカつきだった。
だけれど、必死で奥さんを探しに車を走らせていると自然と「奥さんが好き」って感情が湧き上がってきてしまった。
そして、その感情を認めてる時が来た。
認めざるを得なかった。
何度かけても繋がらなかった奥さんの携帯から着信があった時、俺は安心したのと同時に奥さんに対する感情を認めた。
※元投稿はこちら >>