それから1か月ほどして大和田さんから連絡があり、今度は大和田さんの自宅でプレイがしたいというお誘いがありました。
今回は私の希望を優先させたいと夫は言ったのですが、私は大和田さんとのプレイが不思議と楽しかったので承諾しました。
大和田さんが自分の車で送迎したいとのことで、家の前まで来て頂きました。車は黒っぽい色のバンでした。
いつものように子供は夫の親にあずかってもらっての外出でした。その時私は初めて大和田さんを見ました。
71歳と言っていましたが、禿げた頭皮以外は若々しく精力的に見える、がっしりした体格の男性でした。その時は入れ歯を
入れていて普通の口元でした。バンの中で陽気に話す大和田さんは、私たちに精力剤を進めました。見た目はおしゃれな箱
に入っていて、ウイスキーボンボンのような形でした。一個食べてみましたが、外側は普通のチョコレートなのですが、
中はドロッとした甘い薬用酒のような味でした。とても精力を高めるのだというのです。食べてしばらくすると、
喉が渇くような気がして、ボトルに入ったハーブティーも飲みました。夫はチョコレートボンボンが気に入って3つ4つ食べて
いました。私はその後急に眠くなってしまい、車に揺られながら眠ってしまったのでした。後で分かったことは、ウイスキー
ボンボンの中味は睡眠薬だったのです。気が付くと私は窓のないコンクリートで囲まれた部屋のベッドに寝かされていました。
それだけではありません。私の左手には手錠がハメられ、首にも固い革を鍵で止めた首輪が付けられていました。
手錠と首輪は2本の鎖で、壁に埋め込まれた金属の輪に繋げられていました。引っ張ってみましたが、とても切れそうには
ない頑丈さでした。大和田と言う人は何故こんなことをするのか、夫はどこに行ったのか、それを考えると恐怖と不安が
私に襲いかかるようでした。一方で、これは何かのドッキリで、夫と大和田さんが仕組んだお芝居かもしれないと、
楽観的に思う気持ちもありました。大声で夫の名を呼びましたが何の答えも返ってきませんでした。
コンクリートの壁は所々ひび割れ、水が流れたシミのような跡がありました。照明は蛍光灯が2本、天井に通気口らしい
穴がありました。壁には2か所にドアがあり、1か所は鎖の届く範囲で、ドアを開けると水洗トイレとシャワーのある
小部屋でした。もう一つのドアは金属のドアでしたが鎖の長さがそこまで届きませんでした。出かける時にスマホを
入れて持って出たハンドバックは部屋の中にはありませんでした。私は大声を出し助けを呼ぶのですが、周囲からは
何の反応もありませんでした。どれくらい時間が経ったかわかりませんが、部屋の戸の鍵を開ける音がして
大和田さんが入ってきました。
「奥さん、お目覚めになりましたかな。」
「この手錠や首輪は何のつもりですか? 主人はどこに行ったのですか?」
「まず、ご主人は公園のベンチに置いてきました。おそらく後2、3時間は眠っとるでしょう。なんせ3個も睡眠薬入りの
ボンボンを食べましたからな。次に、何のために、ですが、これは大変デリケートな問題なので、慎重に説明せねば
なりません。奥さんとのプレイで感じたことを申し上げると、奥さんは大変性欲が強い女性だとお見受けする。
これは何ら恥ずかしいことではない。性欲は生殖欲求、すなわち子供を産み増やしたいという欲求です。あのご主人は、
その奥様の素質をムダ使いしておる。寝取らせプレイに明け暮れるなら、自分でもっと子を産ませればよい。」
「あなたには関係ないでしょ。私には子供がひとりいます。早く家に帰して。」
私は叫びました。
「いや、いずれは帰しますよ。これは約束します。絶対に帰すと言ってもいい。ただし、これには条件がある。
デリケートな問題だと先に言ったでしょう。これですな。意外に思われるでしょうが、ワシは元刑事でしてな。
若い時は凄腕とよくもてはやされたものです。いや、極悪の犯人を何人もしょっ引きましたよ。そのなかでも
一番ワシを有名にしたのは、桜木会の組長逮捕です。知っとりますかな。いやもう20年以上も前の事ですから
まだ子供だったあなたは知らんでしょうなあ。」
この人の先の見えない話に唯々私は驚き戸惑うばかりでした。
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