明日香の同級生からの情報提供で、俺は明日香が入っている革命研究会の集会に行ってみる事にした。参加には
会員になってチケットを購入する必要があるのだが、それも明日香の友人が手配してくれた。
俺は当日、明日香に気が付かれぬように変装して出かけた。ウイッグに帽子、サングラスに付け髭、服は古着屋で購入した
ジャンバー。ホームレスみたいだと嫁に言われた恰好で会場の古倉庫に入ると、胡散臭い男女が20人くらい集まって、
コンクリートの床にカーペットを敷いただけのステージに注目していた。その中央に坊主頭の30くらいの男が
スポットライトを浴びて立っていた。マイクを片手にして何やら別の男と小声で話していた。男は突然話し始めた。
「時間になりましたので集会を始めます。まず、僕の話は欺瞞に満ちたこの社会の真相を解き明かすことから
始めたいと思います。先日選挙が行われました。護国党が過半数となり、我々が応援していた世界平和平等連盟は
1議席も取ることができなかった。この結果を文字通り落選と呼んでいいものか、考えたいと思います。そもそも
選挙とは何か? 紙に書かれた人の名や政党名を数え上げる行為である。だが、ここで考えてもらいたい。
票に字を書いたのは自分だ。おそらく、ここにいるい皆さんは世界平和平等連盟の候補者の名前を書かれたことでしょう。
だが、数え上げるのは誰か。それは他人、それも体制側に仕事を託された他人である。その数字を信じる事ができるのか。
コンピューターでもない生身の人間が数えるのです。この場合機械は人よりも優秀なはずなのに、あえて人に数えさせる
ことに何か欺瞞の匂いを感じはしないだろうか。視点をかえましょう。票の計測を信じるとして、護国党の名前を
書いた人が圧倒的に多かったという結果でした。だが、彼らの票と我々の票がなぜ同じ基準で数えられねばならないのか。
彼らとはメディアやネットを鵜呑みににしている有象無象の連中のことです。彼らには環境問題の深刻さも感じられなければ、
差別に苦しむ人々への人としての思いやりも無い。なぜなら、彼らは先住民族を駆逐して繁栄を築いた民族の末裔だからです。
彼らの歴史上の英雄は実際には虐待と殺戮の権化だったという自覚もないのです。我々は彼らとは違う。それだけでも
君たちは英雄だ。そう、真の英雄は革命研究会のこのメンバーたちなのだ。さあ、ウラーと叫びましょう。
ウラー!」ウラー! ウラー!」
一斉に会場の男女が拳を挙げてウラーと叫んだ。俺も同じように片手を挙げながら気分が悪く嘔吐しそうになっていた。
やがて太鼓のリズムと一緒に奥から若い女性が次々に出てきた。ショーツだけの半裸姿だった。何とその一人が明日香だった。
太鼓のリズムに合わせて奇妙な踊りを踊り始めた。全部で7人の女が片手に赤い布をヒラヒラさせて、輪になったり
横一列になったりして踊っていた。見るとショーツから陰毛が透けて見えている女もいた。皆、並み以上の美人で、
スタイルも良かった。それが終わると坊主頭の男がマイクを持って話し始めた。
「これからはお待ちかねのパーティーです。横のテーブルの酒類は自由にお飲みください。」
見るとテーブルの上に缶ビールや缶酎ハイやウオッカが並べられていた。皿には焼鳥やフライドポテトが盛られていた。
皆が手に酒を持つと
「バーシェ ズダローヴィエ」
と口々に言って酒を飲み始めた。
やがて坊主頭の男の合図で全員が全裸になり始めた。まずいと思ったが遅かった。いつまでも服を脱がない俺に
キツイ視線が刺さり始め、仕方なく俺も服を脱いで裸になった。どうやら裸で相互鑑賞しながら酒を飲む趣向のようだった。
20過ぎの男女の全裸のカップルがビールを片手に俺に話しかけてきた。
「初めての参加ですか?」と男。
「ええ、知人の紹介で・・・」と俺。
「アタシも最初は緊張したけど、全然心配ないわ。ここの人は皆いい人だから。」と微笑む女。
俺は自然と乳首や股間の陰毛をチラチラ見てしまった。
「開放的な気持ちに成れるでしょ?」と女。
「ええ」と俺。
「良かったら彼女とあちらの椅子に座って、ゆっくり話したら。僕は他の相手を探しますから。」と男。
俺は言われるままに壁際の椅子に女と並んで腰かけた。股間が少し固くなってきたのが恥ずかしかった。
会場の中央にはマットレスが次々に運び込まれて来た。どうやらそこで乱交が始まるようだった。
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