中学を卒業して20年の同窓会が始まったのだ。
同級生は60名もいるが集まったのは半分の30名だった。
地元に残っている同級生は殆ど集った。
この街は過疎化対策が進んでいるので、地元に残る人が多いのだ。
地元が20名ぐらいで、県外の同級生が10名ぐらいの割合だった。
俺も県外の一人だ。
幹事の健太と裕美は忙しそうだった。
30人分の料理を作るのは大変で、裕美の兄嫁と裕美の妹までが来て手伝ってた。
そして幹事の健太の挨拶で同窓会が始まった。
中学時代で人気のあった男性は健太で、女性は裕美だった。
俺は大人しくて目立たなかったが健太とは親しかった。
健太と裕美は仲が良かった。
俺にとって裕美は高嶺の花だと思っていたから、特別な感情はなかった。
俺と裕美が結婚できたのは偶然だった。
俺が就職した会社に短大を出て就職していた裕美がいたからだった。
出会った頃は彼氏がいて遠距離恋愛だと言っていた。
今に思えば健太と付き合ってたのではと思う。
彼氏に振られたと言うことで俺と急接近で結婚となった。
離婚の原因は俺の仕事の失敗と裕美の浮気だったが、俺は浮気相手が若い男性だと裕美から聞かされていたが、ひょっとしたら健太だったのでは、俺は仕事の失敗のことで頭がいっぱいで、深く考えてなかった。
健太は農協の青年部だったので、俺と裕美が暮らしてた関西には良く来てたから、浮気のチャンスはあったはすと今に思えば。
そんなことを考えながら、同窓会の健太と裕美を見てた。
でも離婚した今ではどうでも良いことなんだが。
やはり今でも裕美と健太は同級生から人気のようだ。
俺は一人で呑みながら孤独を楽しんでると、裕美の妹がお酒を持って来て「久し振りね」と言って酌をしてくれた。
俺が「相変わらず美人だね」と言うと「ありがとう。でもお姉ちゃんみたいに持てないわよ、ねえお姉ちゃんの二人の子供のことなんだけど、父親が誰か知ってる?」
俺が「良く知らないけど、裕美の浮気相手の若い男性だと思うけど、離婚して暫く一緒に暮らしてたと聞いたけど」
裕美の妹が「誰にも言わないでよ、私の両親や兄弟は健太さんの子供ではと言って心配しているの、世間的には元夫のお義兄さんの子供と言うことなの、ねえお義兄さんお姉ちゃんと寄りを戻してよ」と言うのだった。
同窓会も終盤になり大部分の人が二次会だと言って、タクシーで街まで行ったり家に帰ったりして
残っているのは半分くらいになった。
何となくカップルで呑んだり、グループができたりしていた。
イチャイチャしているカップルもいた。
同窓会が浮気の場と言うのが良くわかった。
健太と裕美も二人で話し込んでいた。
俺の処に店を手伝っている裕美と仲の良い恵子が来て「サトシは一人で呑んでるの?」と言って俺の隣に座って呑み始めた。
かなり酔ってるみたいで俺に抱きついたりしていた。
みんなが心配して健太と裕美が送って行った。
俺も裕美の妹や兄嫁さんに挨拶して帰ろうと思って、店の方に行くと裕美の兄嫁さんがカウンター内で洗い物をしていた。
俺が「お義姉さん、そろそろ帰ります」と言うと「裕美も直ぐに帰って来るから待ったら」と言ってくれたのでカウンターに座ると、裕美の兄嫁も俺の隣に座って一緒に呑み始めた呑みながら「裕美さんが羨ましいわ自由で、このお店で好きな男性と会って、私なんか主人は浮気しているし、文句を言うと、子供が出来ないお前が悪いと言われるし」とぼやきながら俺の手を握ったのだ。
俺は裕美の兄嫁を抱き寄せてキスをすると、舌を入れて来た。
裕美と健太が帰って来るといけないので離れた。
つづく
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