数日経ったある日の夜、ベッドの中で妻が転職の話を切り出してきた。妻は60過ぎの医者が経営する内科クリニックに看護師として
勤めているのだが、「先生」から自分の不妊専門クリニックで働かないか、と誘われたというのだ。患者ごとのプロフィールを
作成し、患者さんの気持ちに寄り添ったきめ細やかなケアをするのが仕事だそうだ。妻は本質的には図太くて、少々の事には
動じない性格だが、同性には頼りがいのある人に見られる面もあった。収入もアップし、勤務時間も今より少なくなるので、
職業的には悪くない話だったが、俺は妻を「先生」に取られてしまうようで抵抗があった。
浮かない俺の顔を見て妻は、
「心配しないで。仕事は仕事、プライベートとは別だからね。看護師のキャリアとして経験したいだけなの。」
そうは言ってもセックスはするわけだから、この状況に慣れてきたとはいえ、嫉妬心を感じるのは仕方なかった。
「いつでもあなたと一緒だよ。セックスはあなたが一番だからね。」
俺の胸のあたりを撫でながら言う妻に、俺は反論できなかった。
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