その夜、俺は恐ろしい夢を見ていた。
大広間のベッドの上で妻がほかの男とセックスしていた。ベッドの周囲にはタキシード姿で顔に仮面を付けた数人の男たちが、
食い入るように妻と男の行為を見ていた。男はあの研修医ではなく、もっと美形でもっと筋肉質の美しい男だった。正常位の次は騎乗位で。
妻はインパクトのある赤い口紅をしていた。妻は男に跨って腰を振りながら、二重瞼の潤んだ目を細めて俺の顔を見て言った。
「あなた、もっと楽しんで。」
さらに激しく腰を振る妻に俺は嫉妬し涙を流した。
「やめろ・・・やめてくれ・・・・俺の前では・・・・どうか、そんな姿を見せないで・・・・お願いだから・・・」
現実の妻が俺を激しく揺すって俺は目が覚めた。パジャマ姿の妻が驚いた顔で俺を見ていた。
「あなた、どうしたの? 大きな声出してたわよ。どんな夢を見ていたの?」
ベッドわきのスタンドの灯りに照らされた妻の顔は美しかった。
「あ、いや、夢を見ていたよ。本当に怖かったなあ・・・」
妻は不思議そうに言った。
「あら、変ね。とても楽しそうな笑顔だったわよ。あなた、「ああ、ああ、もっと、もっと!」て大声出してたわ。」
俺は後で医者にもらった薬の量を間違えて飲んでいたことを知った。そのせいで変な夢を見たのだろう。
それにしても俺の夢を見ていた姿が「楽しそうだった」のは不思議だった。
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