私は国分が出て行って、暫くソファーから立ち上がる事が出来ませんでした。
余韻と言う生優しい物では無い・・・。
散々凌辱され、捨てられた様な感覚・・・、そう言えば電車で痴漢された後の感覚でしょうか・・・。
娘のラインで我に帰ります。
いけない・・・お昼の準備しなきゃ・・・。
(あれ?これって・・・・)
国分が座っていたソファーの奥にバックと紙袋が置かれているのを見つけた。
(国分さんの忘れ物かな?・・・連絡した方が良いのかな・・・)
私はスマホを取った・・・。
一方、国分はマンションを出て車の中で、盗撮カメラの確認をしていた。
予定通り、リビングとトイレにカメラを仕込んだ、そしてぬいぐるみである。
通信状態はクリアだった、それと対談中の隠し撮りの確認。
そんな時にスマホの着信、予想通りさなえからだ・・・。
国分) はい、どうしたんや?
さなえ)あ、いえ・・・お忘れ物でしょうか?リビングにカバンと紙袋が・・・
国分) ああ、ええんや・・・今度行く時まで置いといてんか・・・その紙袋の
ぬいぐるみはプレゼントや、もろといてや。
それと、くれぐれも言っとくけどカバンは開けたらあかんで・・・・。
約束やで・・・じゃあな・・・。
電話を切って紙袋を開けてみる・・・。
ぬいぐるみはデフォルメな魔法少女キャラで目の大きな可愛いお人形・・・。
私は余り趣味では無い少し表情の硬いお人形・・・。
デフォルメされてはいるが、作りはリアルな物です。
私はダイニングの棚に飾ります、。
そして・・・カバン・・・見ちゃいけないと言われると・・・。
しかも、ここに持ってきたと言う事は、私に関係あるもの・・・。
私が見ても誰も判らない・・・、ちょっとだけなら・・・・。
好奇心に逆らえない・・・でも、約束が・・・言わなきゃ判んない
葛藤の中で、私はカバンに手を掛けます。
本当の国分の考えていた事をどうしても確認したく成った私は中身を
見てしまいます。
(これって・・・バイブ、アナルバール、テルド・・・色んなものが入ってる・・・
全部新品、こんな物持って来ていたの・・・・)
私はさっき迄の興奮状態のまま、その中でもひときは異彩な物を手に取ります。
(なんて大きさ・・・)
それは黒くて大きなペニスの形をした物、袋までリアルに作られている・・・。
壁や床に吸盤で張り付き、それにこのテルド電池で動くらしい・・・。
その他の物も知ってはいるが、小説で表現する位で、使った事などない・・・。
新品であることから、被害者に使った訳では無い事は理解できる。
じゃあ、私に使う為?・・・もしくは資料として?・・・。
私には国分の考えている事が理解できない・・・。
しかし、眺めていると、あのファイルが思い出される。
もうすぐ、娘が帰って来る・・・何処かに隠さなきゃ・・・。
でも、テルドを握る手には力が入っていた、頬に当ててみた・・・
私が火照っているのかテルドの無機質な感触は冷たい・・・。
確実に夫より大きく太い・・・。
徐々に荒くなる呼吸・・・、頭の中は国分と被害女性との光景が・・・。
使ってしまえば・・・、きっと国分に判ってしまう・・・。
勝手に中を見た事も・・・、けれど身体の火照りはこの葛藤で余計に火照る・・・。
もう、どうしようも無い状態に・・・。
そんな時に娘が帰ってくる、咄嗟にカバンをソファーの下に入れてキッチンへ行った。
※元投稿はこちら >>