国分) さなえさん・・・大丈夫かいな?、なんかトリップしとるみたいやけど・・・
今日は初めてやし、もう約束してた時間やけど、この辺にしとこか?。
さなえ) いえ・・・もう少し良いですか・・・もう少し・・・。
私は、国分の話に既に飲み込まれていました、一人一人の被害者の感情が流れ込み
何度となく脳内で逝かされた感じです。
少し汗をかいて、体温が上昇し、胸の鼓動も早く成っています。
国分の話には、リアリティと被害者を落とした事による、大きな自信に満ちています。
本当に善意で時間を割いてくれているのなら良いが、今にも襲ってくる感覚はそうではない
感覚を感じさせ、余計に臨場感を与えられていました。
もう、国分の前で丸裸にされている様です。
視線も時折宙を舞います・・・。
持つペンにも力が入り、メモの字も乱れます・・・。
もっと聞きたい・・・いやこんな体験をしてみたい・・・。
葛藤が、国分に気取られる・・・。
しかし、そんな私の心情を見透かす様に国分は話を止めてしまいます。
国分) ああ、本当にもう時間やね・・・今日はこの辺にしとこか・・・。
そう言って席を立ちます、私も席を立とうとしますが・・・よろけてしまいます。
国分に支えられて倒れずに済みました。
本当に善意なのか・・・、しかし国分の冷たい手・・・。
さなえ) ああ、すみません・・・じゃあ、送ります・・・。
国分) ああ、ええよ・・・出る時は問題ないから・・・続きは今度に・・・
時間ができたらメールちょうだい、今度はなんやったら動画も持ってくるで。
(この部屋の仕掛けは出来た、さなえの反応も確認できた、今日の予定は終了やな)
さなえ)はい・・・じゃあ玄関先まで・・・
国分)奥様、お時間を頂きありがとうございました、それでは失礼いたします。
国分は社交辞令な言葉を残して家を出た。
そして私は脱力してリビングのソファーへ・・・。
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