「酒田さんでしょうか?」
渕上が答える。
「はい、酒田です。西口さんですか?」
「そ、そうです」
「じゃ、渕上よろしく」
「はい、案内しま~す」
渕上が玄関に向う。私は応接室のソファに掛けて待った。
「社長、西口さんをご案内しました。」
渕上の後ろから西口さんが続く。
身長は渕上と変らず150センチとちょっとくらい、黒のノースリーブのワンピース
「…初めまして、西口です」
「○○○の社長の酒田です、どうぞ、お掛け下さい」
「失礼します」
西口さんが正面に座る。
髪型は黒のショートでストレート
やや吊り目気味の一重の目と、厚めの下唇。右目の下に大き目の泣き黒子が熟した女の色気を出している。
写真で見るよりも更に美人だ。
40歳でもぱっと見、20代後半で通りそうだ。
こりゃ…たまらん(笑)
「この度は応募して頂いてありがとうございます。さっそくですが、撮影内容の説明と契約書、同意書の手続きに移らせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「は、はい…」
西口さんは緊張しているようだが、私の目を真っ直ぐ見て答える。
「失礼します。」
渕上がアイスコーヒーを持ってくる。
「失礼しました。」
手際よく退出する。
「…あの女性の方は社員なんですか?」
「そうです。どうかいたしましたか?」
「…いえ、こう言う…ご職業で女性の方もいるんですね。」
「そうですね。渕上は社員ですし弊社のタレントも兼ねています。」
「え!?彼女も出演…してるんですか?歳は…」
「ははは、渕上はもう直ぐ30ですよ、若くというか幼く見られますけどね。」
「…そうなんですか!高校生くらいかと思いました…あの…」
「まだ何か?」
「私みたいなおばさんで…需要はあるんでしょうか?彼女みたいに若くありませんし…」
うむ…何かと理由をつけて断ろうとしているのだろうか?
「いえいえ、西口さんは美人ですし、きっと人気が出ますよ。ご安心下さい」
「えっ、私が美人…」
西口さんの顔が赤くなる…かわいい。
「正直、お仕事ですけど、私は嬉しいし興奮していますよ。」
「あ、ありがとうごさいます…あの、私のお相手は酒田さんなのですか…?」
「そうです、よろしくお願いしますね」
にっこり。
西口さんの顔が更に赤くなる。
私は自分で言うのも何だがイケメンだ。
特に歳上には人気があると思われ、学生時代からおばさんキラーでならしていた(笑)
「それでは、撮影内容の確認をさせて頂こうと思うのですがよろしいですか?
「はい」
心なしか西口さんの私を見る目が潤んでいる。
つづく
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