真季さんの手が私の頭に添えられるのを感じながら、私は男のほうを見ていた。
男は運転席で体を捩り 後部座席に座る私を見ていた。
男は、日に焼けた顔をひていた。
口の周りには少しヒゲが伸びていた。
分厚い唇だった。
私は自分の父親よりも年上だろう、、、けれど父親や教師達よりも力強い男の唇を見つめながら、今から訪れる『初めてのキス』を想像していた。
強引に押し付けられるだろうか・・・
頭を掴まれ、引き寄せられるかもしれない・・・
もしかしたら、舌を私に・・・
そんな私の想像を、真季さんの言葉が否定した。
「・・・・・・ダメよ・・・違うわ、そっちじゃない・・・・・・ほら・・・こっちよ・・・・・」
そう言いながら、私の頭に添えた手で私を導いていった。
私は上半身を屈め、左手を助手席の倒れたシートに突きながら、導かれるまま進んでいった。
そして真季さんと男の体の間に、後部座席から上半身を投げ出したような姿になった私の首を、真季さんの手が男の股間に向かって押していった。
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