『物足りない』
月曜日になる頃には、私は あの夜の男の目を思い出しながら、ずっと心の底に隠し 押し殺してきた感情を考えるようになっていた。
普通の服装で、下着を履かないだけのデート。
乳首が固くなっても分からないように上着を着て、人混みを歩くだけのデート。
透けてしまう服・・・でも、コートに守られた姿。
そんな行為のうちは、感じていなかったかもしれない。
でも、行為がエスカレートしていくうちに・・・ポルノ映画館で・・・アダルトショップで・・・コートを脱ぎ、透ける服だけになった時に・・・。
高速のパーキングエリアを、透けてしまう服で歩いた時に・・・。
アブノーマルなシチュエーションで、知らない男に見られた時に・・・男から露骨な視線を向けられた時に感じた感情は、本当は、羞恥心だけではなかった。
胸を・・・乳首を見つめる男の視線・・・。
体を舐めるように這い回る視線・・・。
アソコの毛を見る、睨むような視線・・・。
それを感じるたびに羞恥心が湧き上がり、同時に強い『性欲』を感じる自分がいた。
恥ずかしい姿の自分・・・。
隠しきれない興奮した顔の自分・・・。
そんな私に向けられる、知らない男達の露骨な性欲の視線・・・。
ジロジロと見られる羞恥・・・
・・・けれど、ジロジロと見られる『だけで終わり』なプレイ。
男達は私を、見られて興奮する変態だと思っただろうか・・・男を欲しがる淫乱だと思っただろうか・・・それすら確かめずに終わるプレイ。
『物足りない』
・・・そうか・・・私は、物足りなかったのだ・・・
私は・・・もうずっと前から、欲しがっていたのだ・・・
欲しくて欲しくて、もうたまらなくなっているのだ・・・
火曜日の昼には、私はそんな事を考えていた。
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