「・・・で、どうなんです?」
薄暗いカラオケボックスの個室。
壁際に並ぶソファーで、3人は私を囲むように座る。
そして新しいドリンクが運ばれてくると 今夜もまた吉田君が話しかけてきた。
三浦君も浜口君も、露骨に私の顔を覗き込んでいる。
「ん?・・・なにが?」
私は飲み会の最後、酔っぱらってしまった所長に隠れるようにしていた 旦那との下ネタの話しだと気づいていながらも、わざと とぼけて質問を返した。
薄暗い部屋の中、テレビの光に照らされた3人の興奮した顔を見ただけで、私まで興奮してしまっていた。
「だから、旦那さんとですよ・・・ね、どうなんです?」
「もぉ・・・こんなオバサンに、何聞いてるのよ」
「いや、オバサンだなんて・・・由美さん、充分 魅力的ですよ」
「あぁ、美人です・・・だから、すげぇ興味あるんですよ」
3人は、いつもこんな調子だ。
美人、きれい、魅力的・・・そんな言葉を並べては、私をずっと褒め続ける。
そして中年男とは全く違う、初々しくて拙い仕草で 触れてこようとする。
私も、もちろん同罪だと思う。
だって、お尻に触れる手を、腰に回された手を 自分では払いのけないのだから。
否定の言葉である「イヤ」や「止めて」を使わず、「ダメよ」「ちょっと」としか言わないのだから。
「まったくもぉ・・・・」
諦める仕草をすると、3人の顔がさらに興奮したのが分かった。
私の顔は少し微笑んでいたが、それは同じように興奮した自分を隠すためだった。
本当は、体の芯が熱くなっているのを感じていた。
「無いわよ、無い。旦那とは ずっと無いわ・・・ほら、これで良い?」
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