あの夜から数日が経った。
全てが何事も変わらず進んでいった。
それは、確かに見たはずの、あの光景を疑うほどだった。
それほど全てが、何もかもが同じだった。
妻はそれまでと同じように、俺が何か良いことをすれば豪快に笑いながら褒め、何か悪いことをすれば 怖いくらいの勢いでキレまくった。
スレンダーな引き締まった体に お気に入りの部屋着・・・ピッタリと吸い付くようなサイズのホットパンツとTシャツ姿で、腰まで伸びた茶髪を揺らしながら夕食を作っていた。
職場に行けば 後輩も、相変わらず大きな体を小さくしながら、真面目に働いていた。
額に大きな汗の滴を滲ませながら、憎めない笑顔で俺の後ろを「先輩」「先輩」と言いながらついてきた。
全てが、何もかもが変わらない日々だった。
(アレは、真実だったのだろうか・・・あの夜の、あれは・・・)
半月もたたないうちに、俺の心にはそんな馬鹿げた疑問すら浮かんでいた。
あんなにもハッキリと見たのに・・・
今でも妻の激しい喘ぎ声を・・・甘えた声を覚えているのに・・・
そして俺は、また後輩を家に呼ぶ計画を、妻に伝えた。
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