俺は奈緒子ちゃんと一緒に爆笑していた。
なにより奈緒子ちゃんが元気で明るかったのと、下ネタで盛り上がり始めたから「コレはあるかも知れない。」って思った。
だが、そう思った直後、奈緒子ちゃんは泣き崩れてしまった。
泣きながらずっと「こんな一面があった。」とか「実は真面目なところがある」とか。
俺はそんな話を聞きながら「それ全部普通だから…」と思った。
今でも思うが、なぜ不良とかが真面目な事をすると数倍にも美化されるのかが分からない。普通の人がやったら当たり前の事なのに。
この時の俺は、そんな不思議なマジックに囚われて泣いている、奈緒子ちゃんの背中をさすってあげる事しか出来なかった。
そして奈緒子ちゃんとセックスする期待は脆く崩れていった。
1時間以上泣いて、奈緒子ちゃんもちょっと落ち着きを取り戻した。
奈緒子ちゃんは「ごめん…K君…呼び出しといて悪いけど…私…やっぱりダメだわ…家に帰って1人になりたい…」と言った。
俺は「そうだね。うん。それが良いよ。俺の事は気にしないで。」と言ったが、本心は「ようやく解放されたぁ」だった。
カラオケを出て途中まで奈緒子ちゃんを送った。
別れ間際、奈緒子ちゃんはマフラーを貸してくれた。
奈緒子ちゃんが俺の首に巻いてくれた。
めちゃくちゃ良い匂いがしていた。
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