確か 12月に入った頃だった。
夜の8時くらいに携帯が鳴った。
知らない着信番号で、出ると女の子からだった。
「もしもーし。誰だか分かる?分からないでしょ。」とハキハキと喋る声だった。
俺が誰だか分からずにいると、電話の相手は「私よ!〇〇(名字)!〇〇奈緒子!」と言った。
俺が「えっ?奈緒子ちゃん?どうしたの?」と聞いた。
奈緒子ちゃんは「ビックリした?〇〇からK君の番号教えてもらったの!」と言った。
誰だかは覚えていないが、俺のクラスメイトから番号を教えてもらったらしい。
俺は「どうしたの?なんか用?」と聞くと意外な返事が返ってきた。
奈緒子ちゃんは「私さぁ、別れちゃったんだよね!」
俺は「えっ?マジで?いつ?」
奈緒子ちゃんは「今日!それで暇になっちゃって。K君って〇〇駅から遠いんだっけ?」と言われた。
俺がチャリで行けると伝えると「今から会わない?」と言われた。
俺は即答でOKした。
だって影でヤリマンって噂の立つ奈緒子ちゃんが彼氏と別れて、夜に呼び出してくるなんて、変な期待しか産まれてこなかった。
俺は 12月の夜空の下、必死にチャリを漕いだ。
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