私が服を着ていると、小坂さんは
小坂「あー……これじゃあ、このパンツもう履けないよ。」
と、ショーツを手にしながら困ったように呟いた。
山口「あ、そうかもしれないね(笑)」
小坂「絶対乾かないよねぇ。う~ん。」
小坂さんは、暫く悩む様子でいたが、やがて決心したのか、旅行鞄のビニール袋の中から昨日履いていたショーツを取り出した。
小坂「そんな汚れてないし、何も履かないよりはいいよね。」
そう言いながら小坂さんは、数時間前に私がオナニーに使用した緑色のショーツを履いた後、ワンピースを着用すると、布団に敷いたバスタオルで、脱いだショーツを包み旅行鞄の中にしまった。
小坂「さて、布団片付けよ。」
山口「あ、やるやる。」
私は布団を持ち上げて、ベッドの下の段に敷きなおした。
小坂「ありがとう。明日は10時チェックアウトだから、間に合うように起きてね。」
山口「うん、分かった。」
私は部屋を出て一階に降りて、玄関に向かうと、小坂さんも一緒についてきてくれた。
小坂「じゃあ、私はこっちで休んでいくから。ここで。」
山口「うん、また後で。」
小坂「はい。」
小坂さんに別れを告げてコテージの玄関の扉を閉めると、外は既に明るくなりはじめていた。
私は赤石の眠るバンガローへと向かった。
木々の間を歩いている間、この数時間で起きた出来事を頭の中で整理する。
私は中尾と正式に別れた訳ではないので、まだ一応は付き合っているのかもしれない。
小坂さんには、旦那さんがいる。
だが、中尾と距離を置いているこの時期に、私は小坂さんと男女の仲になってしまった。
少なくとも、中尾にこのことが発覚すると、恐らく私は中尾と別れることになるだろう。
それは、小坂さん自身も分かっているはずだ。
それでも、彼女は私のことを受け入れてくれた。
何故だろうか……。
そう頭の中で考えるうちに、バンガローに到着した。
バンガロー内に入ると、赤石が相変わらず寝ていた。
私はゆっくりと、布団に入ろうとしたが、私の足音に赤石が気付いたようだ。
赤石「ん?もう朝か?」
山口「いや、まだもう少し大丈夫だ。」
赤石「そうか。ん?山口がここまで連れてきてくれたのか?」
山口「ああ、そうだよ。」
赤石「そうか。ありがとう。」
そう言うと、赤石は再び眠りにつきだした。
私も、布団に入り、先程まで考えていたことの続きを考えようとしたが、流石に疲れていたのか、布団に入った瞬間、考える間もなく、意識が遠退いていってしまった。
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