パタン
私が二階の四畳間の扉を閉める音が部屋に響く。
ギシッ
小坂さんが二段ベッドの下の段に置かれた旅行鞄を床に置いて、ベッドに座ると、ベッドが軋む音がした。
小坂「何か、変な緊張がある(笑)」
山口「確かに(笑)」
私はそう言いながら、小坂さんの横に座る。
ギィィ
小坂「わっ!壊れそう……」
コテージのベッドは二人の大人が同時に乗ることを想定していないのだろう。
軋む音が確かに壊れそうな音がした。
山口「確かに、危ないかも……下のソファーの方がいいかな?」
小坂「う~ん。いや、下ですると、万が一汚れたりしたら大変だしなぁ。」
そういうところに気付くあたり、やはり、小坂さんは真面目だった。
山口「あー。それはそうだよねぇ。」
私は、良い手が思い浮かばず、やはり、環境的に難しいか、と思っていた。
小坂「う~ん……。あ!ちょっと待って。」
そう言うと小坂さんは、立ち上がって部屋の電気をつけた。
四畳間に白熱灯の明かりがともる。
電気がつくと、小坂さんは、自分の持ってきた旅行鞄のファスナーを開いた。
中から、明日着る服と、先程私の大量の精子を受け止めたショーツの入ったビニール袋を鞄の外に出す。
『元に戻しておいて、良かった。』
私は内心でそう呟き、胸をなでおろした。
小坂「もし、なかった時のために、と思って持ってきたんだけどね。違う用途になるけど、まぁ、いっか(笑)」
そう言いながら、小坂さんは旅行鞄の底から、厚めのバスタオルを取り出した。
小坂「ベッドの布団、床に敷こうか。」
小坂さんがそう言いながら立ち上がる。
山口「あ、うん。分かった。」
私は座っているベッドを立ち上がり、布団を持ち上げる。
夏用のためか、敷布団は軽かったので、すぐに床に敷くことが出来た。
小坂さんは、薄手の掛け布団を敷き布団の上に置くと、敷き布団に先程取り出したバスタオルをシーツの上から覆うように広げた後、部屋の電気を再び消した。
小坂「さて!これなら、大丈夫かな。」
そう言いながら、小坂さんは布団の上に座った。
山口「本当に、いいの?」
小坂「ん?やっぱり辞める?」
山口「いや……、そういうことじゃなくて、小坂さん結婚してるし……」
小坂「主人とのことは、気にしないで。私も山口君としてる時は考えないから。それに……。」
山口「それに?」
小坂「主人と私のことは、山口君には関係ないことだから。あまり、詮索しないで。あ、でも、別に離婚とかそういった心配もしないで大丈夫だからね(笑)」
山口「あ、そ、そうなんだ。うん。じゃあ、分かった。気にしないようにするよ。」
小坂「うん。本当に大丈夫だから。」
山口「うん。じゃあ、お言葉に甘えて。」
私は、そう言いながら、布団に座る小坂さんに、抱きつくようにして押し倒した。
※元投稿はこちら >>