コテージ内は意外に豪華な間取りだった。
一回にキッチンが一緒になったリビングがあり、2階には2つ部屋があり、1部屋は六畳くらいの個室に二段ベッドが2つ置かれ、もう1部屋は四畳くらいの部屋に二段ベッドが一つ置かれていた。
風呂から上がり暫くすると、コテージのインターホンが鳴り、永川さんと小坂さんがやってきた。
永川さんは、紺色のルームウェアを着用しており、小坂さんは灰色のワンピースを着用していた。
男はハーフパンツやらタンクトップやら、いかにも夏らしい格好だ。
子供達は、まだまだ元気らしく、2階で永川さんの子供の持ってきたゲーム機で遊び始める。
大人はリビングでお酒を出して床に座りながら宴会を始めた。
赤石「何だか、この感じは懐かしいな(笑)高1の時にあった夏休みの勉強合宿みたいな感じがする。」
永川「あー!懐かしいかも(笑)山のホテル貸し切りにしたやつでしょ(笑)」
山口「そういや、あったねぇ。あれ、お酒飲んでるグループもいたよね(笑)」
児山「いたいた(笑)そいや、あの合宿の時、よしが、山さんのこと夜誘い出して気付いたら、二人で外行ってたよね。」
小坂「あー。あったねぇ(笑)あの時、夏休み前に当時付き合ってた彼氏と別れてさぁ。何か、急に二人で散歩しない?とか言われて断りきれずに一緒に近くにあった神社歩いたなぁ。」
児山「そしたら、夏休み終わった後から二人付き合いだしたからね(笑)男子の中では、あの時、二人はキスくらいしたんじゃないか噂になってたよ。」
小坂「してない、してない(笑)何か、私が別れて傷付いてるものだと勝手に勘違いして、キザったらしいこと一本的に話された(笑)」
永川「うわー。よしならあり得るかも(笑)」
小坂「そん時に、付き合ってくれないか、とか言われて、嫌いな訳じゃないから彼氏いないし別にいいかなぁ、と思って付き合ったら、失敗だわ(笑)」
小坂さんの、ぶっちゃけトークに皆が笑う。
そして、その後も、皆が思い出話をしながらお互いに笑い合う。
こうして楽しい晩を過ごすのはいつ振りだろう。
皆あの頃よりも大人になってしまい、いつしか集まらなくなって、それでもまだまだ子供だったあの頃を忘れずに思い出を語り合う、皆、本当に大切な友人達だ。
ただ、それでも、私達は大人になったのだ。
大人の男女の仲というのは子供の頃のものとは違う。
ふとしたことがきっかけで、大人の男女は一線を超えて、それが例え許されない関係であったとしても、お互いに愛情を紡ぎ合う仲になってしまう可能性を秘めている。
私にとって、それを改めて知ることになる一晩がまもなく始まろうとしていた。
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