子供連れで参加の永川さんと児山は、子供とを林間アスレチックに遊ばせに行かせ、私と赤石と小坂さんは夕飯のバーベキューの準備に勤しんでいた。
赤石「でも、距離を置いてる、ってことは、また中尾さんと付き合う可能性がある、ってことなのかな?」
赤石が、串に肉や野菜を刺しながら私に聞いてきた。
山口「んー。分からない。」
私は肉を切りながら、赤石の質問に答える。
赤石「分からないって、ぐっちゃんは、中尾が元に戻りたい、って言った場合はよりを戻すつもりないの?」
山口「いや、それは否定はしないけど……」
小坂「まぁまぁ、赤さん。それくらいにしてあげてよ。二人のことは、お互いで話するしかないんだしさ。」
私の横で黙って野菜を切っていた小坂さんが、私に助け船を出してくれた。
赤石「おっと、そうだね。野暮なことばかり聞いてすまない。ぐっちゃん、早く次の肉を。」
こういう時に、私達のグループは、相手から相談されない限り、誰もが深く詮索をしないというのは、とてもありがたいことだったし、だからこそ、皆喧嘩らしい喧嘩をすることなく、いつまでも仲良くいられるのだと思う。
赤石「しかし、中尾さんと、ぐっちゃんのことはいいとして、よしの奴は最近元気なのかな?」
山口「元気、元気(笑)あいつ、山さんが俺の働いてるところでパート始めたの知った瞬間、頻繁に連絡するようになってきてさー(笑)」
小坂「えー。何か聞きたくない話だな(笑)」
赤石「いや、彼はそういうタイプだよ(笑)以前、彼が付き合った後にフラレた女の子とちょっと親しく話してたら、すぐに、何話してた?とか、取らないでくれ、とか言ってきたなぁ(笑)」
山口「だよねー(笑)あいつ、元カノに対する執着心強いんだよ(笑)諦めが悪いぞ、って言うと、それだけ好きだったんだ!とか全然意味不明なのに、正当化させたり(笑)」
小坂「ホント、1年付き合ってないのに、未だにそういう風吹かせるって、ある意味すごいよね(笑)」
会話をしながらも、バーベキューの下ごしらえがどんどん進んでいく。
そうして5時くらいになると、永川さんと児山家族が林間アスレチックから帰って来たので、皆でバーベキューを始めた。
永川さんと児山の子供達も楽しそうにバーベキューをたべながら、大人はチビチビとお酒を飲みはじめた。
永川「え!赤さん、来月からスペイン!?しごーい!」
赤石「秋からは、ちょっとヨーロッパを転々としそうかなぁ。」
児山「ヨーロッパとかやばいなぁ(笑)俺なんか、釜戸の前で汗をかく毎日(笑)」
赤石「あ、それなら、もしよければ、日本文化の一つとして焼き物を……」
皆が楽しそうに会話をしているのを聞きながら、俺はバーベキューの火加減に注意しながら、皿の空いた子供達の分を取り分けていた。
小坂「山口君、ちゃんと食べてる?(笑)」
山口「あ、うん。食べてるよ。小坂さんは?」
小坂「うん、食べてるー。やっぱり、楽しいよね。昔の友達と集まるのって。」
山口「そうだねー。やっぱ、こう、何て言うか安心感あるよね?」
小坂「そうそう(笑)」
山口「ここに、中尾もいたら、もっと楽しいんだろうなぁ……。」
俺は遠くを見ながら、そう呟いた。
小坂「………。大丈夫。きっと帰ってくるよ。それまでは、待とう?」
山口「分かってるよ。今は寂しくても、きっと、いつかお互いに良い思い出にしたいな、と俺は思ってる。」
小坂「……流石、強いね(笑)」
山口「ま、それに今は仕事楽しいし!(笑)」
小坂「そうだね(笑)」
こうして、夜7時半過ぎまで皆でバーベキューをしながら、一旦、女組は永川さんのコテージで風呂に入り、男組は児山のコテージで風呂に入ることになった。
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