暫く私が声を押し殺して泣いていると、私の電話が鳴った。
菊地からだった。
山口「もしもし。」
菊地「先輩!順位見ましたか!?」
山口「うん、見たよ。間違いじゃないんだよな?」
菊地「そんなのある訳ないじゃないですか!本当に凄いですよ!こっちも、皆騒然としてますよ!」
山口「俺も騒然としてるよ(笑)」
菊地「あ、ちょっと待ってて下さい。次長のデスクに電話回します。」
すると電話口に軽快なBGMが鳴り、次長が電話に出た。
次長「もしもし、山口君。まずは、よく頑張った。おめでとう。」
山口「ありがとうございます!」
次長「売上も、もちろんだが、利益の伸び率がずば抜けている。今月も引き続き、この調子で頼むぞ!」
山口「はい!ありがとうございます!」
次長が電話を切ったので私も電話を切る。
小坂「褒められてたねぇ。」
小坂さんが、笑顔で声をかけてきた。
山口「いや、小坂さん、ホントにありがとう。」
私は椅子から立ち上がり、小坂さんに頭を下げながら、お礼を言った。
小坂「ちょっと、私のおかげじゃないからやめて(笑)」
山口「いや、小坂さんが発注担当になってから、右肩上がりだよ。」
小坂「そんなことないよー。」
山口「先月からPB商品多く発注して、商品展開とか手書きのオススメコメントが間違いなく効いてるよ。」
小坂「PBは利益率がいいって山口君から聞いてたから、それ参考にしただけだよ。」
山口「いや、だからと言って単にPBを多く入荷すればいい、ってものじゃないから。」
小坂「まぁ、あとは、その地域に上手くマッチするか、だよね。」
山口「そうしてくれたのは小坂さんのおかげです。」
小坂「褒めても何も出ませんよ(笑)あ、そうだ。」
山口「なに?」
小坂「今度、永川とか赤さんとかも誘って皆で集まって何かしない?」
山口「いいね!やろう!」
小坂「ホント?じゃあ、私皆に聞いてみるよー。」
山口「うん。分かった!」
小坂「さて、私そろそろ上がるかな。」
小坂さんは、大きく背伸びをしながら、そう言った。
白色のノースリーブTシャツの内側に薄く浮かび上がる彼女のブラジャーライン。
時たま見せる、こうした彼女の大人の魅力に私は男として惹かれ始めていた。
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