途中で転倒しそうになる小坂さんを支えながら、何とか自宅に到着した。
山口「さて、着いたよ。」
小坂「………うん。」
私は、左手で玄関の鍵を開けて、ドアを開いた。
小坂さんを玄関に座らせて、彼女が履いていたヒールサンダルを脱がせるために、止め紐を外す。
足の爪には、薄いピンクのマニキュアが塗られていた。
ヒールサンダルを脱がせた後、彼女を立ち上がらせ、部屋に上がらせる。
山口「いやー。ようやく、着いたな。」
彼女をベッドルームに連れていき、ベッドの前に来て腕の力を抜いて、ゆっくりと仰向けになるように横たわらせる。
小坂「ん………ありが……と」
ベッドに横になると膝から下をベッドの外に放り投げるようにして、彼女は次第に意識遠のかせていった。
山口「さて。とりあえず、汗かいたから、シャワー浴びよう。」
私は浴室に入り、シャワーを浴びる。
髪を洗いながら、美起以外の女性がこの部屋に上がるのは初めてかもしれない、ということに気付いた。
私は、シャワーで全身についた泡を流し終えると浴室を出た。
全身を拭き終え、パジャマ代わりのハーフパンツとTシャツに着替え、寝室に行くと、小坂さんはすっかり寝息をたてていた。
肩にかけていたワンピースは既に彼女の肩から外れ、今では本当の意味で完全に無防備な姿の小坂さんが私の目の前にいる。
山口「山ちゃん、こんなになるまで酔うんだな。」
無防備な姿の彼女を見ていると、私の中の倫理観が次第に崩れていきそうだった。
彼女に触れてたみたい。
高校時代に仲の良かった、そして、ガードの堅かった女友達の秘められた部分を視てみたい。
ダメだ、ダメだ、ダメだ。
彼女は友達なんだ。
それ以上でも、それ以下でもない。
大切な友人だ。
私の中で、倫理観を崩壊させまいと必死に抗う自分がいる。
しかし、私の手は、ゆっくりと、ゆっくりと、彼女の体の方に近付いていくのを、この時の私は、抗うことが出来なかった。
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