吉本「で、どう?山さんの様子は。」
山口「ん?かなり助かってるよ。」
吉本「そっか。まぁ、案外遊んでるようで真面目だったもんなぁ。」
山口「そうだな。だから、よしは失敗したんだろうな。」
電話相手の吉本は高校の同級生で、小坂さんの高校時代に付き合っていた、いわば元カレというやつだ。
小坂さんは、高校時代は男友達からは、山さん、と呼ばれていた。
吉本「まぁなぁ。いや、あの頃はさ、ほら、誰が先に童貞じゃなくなるか、とかあったじゃん?だから、俺も焦ってたんだよなぁ。」
山口「まぁなぁ。あの頃、俺ら男だけの話の中では、いつもその話だったし。それに山さん、一度は抱いてみたい女の上位にいたからなぁ。」
吉本「そうそう(笑)つか、お前達がせかすから、俺もフラレたんだろーが。」
山口「確かに(笑)」
吉本「ホント、私服であの体つき見た時男子皆視線泳いでたしな。勿体ないことしたわー。今の俺が昔に戻れたら絶対に山さんとセックスまでこぎつけられた自信あるな。」
山口「まぁまぁ、そう昔を恨むなって。あ、そろそろ中本来るから切るわ。」
吉本「お、そうか。ぐっちゃんも年も年なんだから、中尾と早めに結婚しろよな。」
山口「余計なお世話だよ。じゃなあ。」
吉本「じゃあな。」
そう言って、私は友人との電話を切った。
中尾「ただいまー。」
山口「あ、おかえりー。」
吉本との電話を切った瞬間、彼女が帰って来た。
実のところ、中尾も同級生で小坂さんとは友人である。
山口「今、吉本と電話しててさー。」
私は脱衣所でスーツから私服に着替えている彼女に向かい声をかけた。
中尾「よし?あぁ、もしかして、雪のこと?」
脱衣所から彼女の声が帰って来た。
山口「そうそう(笑)あいつ、山さんが俺の働いてる店にパートで入ったの知ってから、ちょくちょく電話寄越すんだよな(笑)」
中尾「しつこいねぇ(笑)未練がましい男は嫌われるぞ、って言っといてよ。」
山口「伝えたけど、本人は違うって否定してるよ(笑)」
中尾「どうだかねぇ。」
私服に着替えた彼女が脱衣所から出てきた。
中尾「まぁ、雪は雪で幸せな家庭築いてるからね。」
山口「だよな。飯どする?」
中尾「う~ん。とりあえず、先に明日の仕事の準備させてもらっていい?」
そう言いながら、彼女はリビングのパソコンに向かった。
最近は仕事が忙しく、夕飯の準備等の家事は私がすることが多いが、彼女の収入がなくては、今の生活は維持出来ないのも事実なので仕方ない。
山口「分かった。じゃあ、俺も飯準備するわ。」
そう言って私はキッチンで夕飯の準備を始めることにした。
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