急いで帰宅すると、玄関先に次男が腰を下ろして座っていた。
永川「ごめーん!ちょっとお出掛けしてた。」
次男「今さっき着いたところだよ。」
永川「そっか、そっか。でも、遅れてごめんね。」
私は鍵を開けて、次男と一緒に家の中に入る。
私は荷物をリビングに置くと、2階に干した洗濯物を取りにいく。
土日の2日分の洗濯物だったが、夫の分がないだけまだマシだった。
洗濯物をカゴにしまい、一階に降りる。
次男「お母さん、おやつ食べたいな。」
永川「ちょっと待っててね。」
私は帰りに買ったドーナツをお皿の上に出して、机に置いた。
永川「はい。好きなの食べていいよ。」
次男「あ、ドーナツだ。」
次男はチョコレートのかかったチョコレートを選んで口に頬張り始めた。
その間に私は、ショッピングモールで買ってきた3組の下着を衣装ケースの中にしまい、その内1組は今日から着けようと思いタグをハサミで外す。
永川「久々に可愛らしいデザインのやつ買ったなぁ。」
ピンク色の生地で花柄があしらわれ、ストラップ部分もただの紐ではない、小さな花が繋がっているようなデザインだ。
合わせて買ったショーツも一つはTバックタイプの物を思い切って買ってみた。
永川『こっちは普段は使わないと思うけどね』
やがて長男も帰宅してきたので、私は夕飯の準備にとりかかる。
長男は今日は遊びの約束をしてこなかったのか、帰宅するなりドーナツを食べて、次男と一緒にタブレットで動画を見始めていた。
永川「ちゃんと宿題やっちゃってよー。」
長男「うん。分かった。」
長男が先に子供部屋に行くと、次男もタブレットを置いて子供部屋へと入っていく。
ズボンのお尻のポケットに入れていたスマホがメッセージを受信した振動をさせた。
私はすぐにスマホを確認した。桔平さんからだ。
(桔平)
先程はありがとうございました!
短い時間でしたが、お話出来て嬉しかったです。
また機会あったら会っていただけませんか?
また夜にお話出来たらと思います!
(永川)
コーヒーご馳走さまでした!
桔平さんにお会いできて私も嬉しかったです。
桔平さんの時間があれば、喜んで!
では、夕方の主婦の仕事に入りますね。
また夜にー。
そう返信すると、私は家事を再開する。
子供達を寝かせて全ての家事を終えたのは、いつも通り10時前くらいだった。
お風呂に入ってから、ソファに座りカカオを開く。
(永川)
こんばんはー。
ようやく家事も全て終了して、一人の時間になれましたー。
程なくして桔平さんからの返信が入った。
(桔平)
こんばんは。
丁度僕もお預かり品の修理が一段落ついたんでお店閉めたところです。
そこから30分くらいは、日常会話的なやり取りをしていたが、桔平さんから送られてきた一通のメッセージから雰囲気が突如あやしくなる。
(桔平)
ところで、今日永川さん、ショッピングモールで買ったのって下着でした?
永川「やだ。やっぱりバレてたの。」
(永川)
そうですw
最近、新しい下着を買う時間なくて。
いつもは通販なんですけど、今日は久々にお店で買いましたwww
(桔平)
やっぱり、そうだったんですねー。
てっきり洋服かと思ってたら、下着屋さんの袋だったんでw
(永川)
何だか恥ずかしいです(。>槌<。)
今日はあれしか買うつもりなかったからなぁ。
(桔平)
あ、デリカシーなくてゴメンなさい……
(永川)
全然大丈夫ですwww
そういうの気にするような年齢でもないんでwww
(桔平)
そうなんですねwww
早速今日から新しい下着ですか?
(永川)
そですw
(桔平)
そうですかぁ。
一つダメ元な質問していいですか?
(永川)
はい。なんですか?
(桔平)
もし、永川さんが嫌じゃなければ、今日新しくした下着を着用した姿、今から見せてもらえませんか?
思わぬ提案に私はスマホを落としそうになる。
永川「え?いやいや、それは流石に無理でしょう(笑)」
(永川)
流石にそれは無理ですよwww
子供寝てるし置いていけないですし。
(桔平)
あ、いや直接お会いするんじゃなくて、ビデオ通話でお話しながら、もし可能であれば、という話なんですが。
ご主人いらっしゃいますから難しいですかね。
永川「あ、そういうこと?あ、なるほどね。ビデオ通話ね。」
(永川)
あ、ビデオ通話ってことですね。
今から直接お会いするかと思ってましたw
夫は出張でいないんですけどね。
でも、どうしよう。ビデオ通話とかしたことないから、不安です。
正直なところ、桔平さんは見た目に比べて感じの良い男性だし、むしろイケメンに部類されるくらいの人だったので、下着を見せるのが嫌な訳ではなかった。
(桔平)
Wi-Fi通信ならば、通話料とかはかかりませんし、ビデオ通話を録画したりも絶対に致しません。
こんなこと突然言われて驚かれているかと思いますが、永川さんの新しい下着を着けた姿を最初に見られたらな、と思ったら我慢出来ず。
あ、でも、流石に、ご主人が先に見ないとダメですよね。
桔平さんから、そんなメッセージが届いた瞬間、私は夫への怒りが再び沸いた。
永川「いや、あいつ絶対気付かないし。興味もないだろうしな。」
そう言った瞬間に、私は、桔平さんに下着姿を見てもらうことを心に決めた。
見ても喜びもしない男性に見られるより、喜んで貰える男性に見てもらったほうが良いに決まっている。
(永川)
じゃあ、今日コーヒーご馳走になったし、いいですよ。
でも、録画とかは本当にしないで下さいね。
では、子供起きてきたら大変なんで、一回確認に行かせて下さい。
大丈夫だったら、準備整い次第またメッセージしますね。
私はそう言うと、2階の寝室に上がり、子供達が寝静まっているかを確認に行ったのだった。
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