土曜日の午後6時に駅前の居酒屋に集合することになった。
私は駅前のマンションに住んでいるので、徒歩でも居酒屋へ行き、小坂さんも駅から自転車で10分くらいの距離に住んでいたので、自転車で居酒屋まで来た。
小坂「お待たせ。」
小坂さんは肩にフリルが付いた白色のノースリーブに紺色のデニムパンツだった。
やはり、昔と同じで、プライベートな服装は女性らしさを感じさせる服装だ。
山口「俺もさっき着いたばかりだから。」
小坂「そっか(笑)じゃあ、入ろっか。」
山口「そうだね。」
私は、小坂さんの先に店に入り、2名だと伝えると、半個室になっている席へと案内される。
席に着くなり、私はビールを、小坂さんは梅酒を頼み、あとは数品のおつまみを小坂さんがチョイスして注文した。
二人分のお酒が席に運ばれてくる。
小坂「じゃあ、まずはお疲れ様でした。」
山口「お疲れ様でした。」
二人で小さく乾杯をする。
ビールグラスの半分を一気に喉の奥へと流し込む。
山口「っぷはぁぁぁ。いやー!久々に飲んだ!」
小坂さんも、半分くらいまで梅酒を飲んだところで、グラスから口を離した。
小坂「ホントにそんな感じするね(笑)でも、山口君と二人で飲むのは初めてかな?お昼なら食べにいくことはあったけど。」
山口「んー。そう言われてみれば……。まぁ、高校卒業した後は俺あんま小坂さんと会う時は美起が一緒にいたしね。」
小坂「そうだよねぇ。よしからは、たまに連絡来て何度か飲んだけど。」
山口「あ、そうなの?あいつ、しつこいよな?(笑)」
小坂「んー(笑)まぁ、嫌いになって別れたって訳じゃないからね(笑)」
山口「あー、そういや、よしから別れ話されたの聞かされて俺、山さんに電話した時、そんな話してたね。」
小坂「よく覚えてるね(笑)山口君も別れるの反対してたよね。」
山口「うん(笑)」
小坂「でも、中尾は別れた方がいい、って言ってたからねぇ。」
山口「うそ!?それは初耳だよ?」
小坂「あ、そうなの?中尾は、私がよしと別れたい、って相談したら、理由も聞かずに、そうした方がいい、って。」
山口「あー、あいつらしいなぁ。ああいう時、美起って、あんま理由とか聞かないよな。」
小坂「そうそう(笑)結論が決まってるなら、それが答え、っていうか。それでよく法律事務所に就職したよね(笑)裁判なんて、その結論に至る過程を話し合うとこなのに。」
山口「まぁ、美起なりに考えて就職したんだから、きっと理由はあるんだろうけどね。でも、改めて聞くけど、なんで、山さんは、よしと別れたの?」
小坂「ん?9ヶ月くらい付き合ってみたけど、やっぱり彼は友達の域は出なかったんだよ。今なら何となく意味分かるでしょ?」
山口「あー、分かる分かる(笑)なるほどね、なら仕方ないよなぁ。あ、お代わり同じでいい?」
小坂「あ、うん。ありがとう。」
私は、店員を読んで小坂さんの梅酒と、自分のビールを追加した。
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