夕方前に雪ちゃんの家をおいとました後、私は隣町のクリーニング店に立ち寄り美起ちゃんのスカートを受け取り、車に戻る。
永川「あー。今日は車の運転で疲れちゃったから、お母さん夕飯の支度したくないなぁ。だから、何か食べて帰ろ。二人共何食べたい?」
長男「ハンバーグ」
長男は車内のテレビを見ていたが、次男はすっかり眠っていた。
永川「じゃあ、ハンバーグで。」
私は自宅近所のファミレスへと車を走らせた。
夕飯を食べ終わり、帰宅する時にはすっかり日が暮れていた。
自宅に着くなり、子供達には学校の宿題を片付けるように言って、私はお風呂を洗ったり、一泊した分の着替え等を手際良く片付ける。
宿題を終わらせた子供達をお風呂に入らせ、明日の学校の準備を一緒に整え寝室に行かせると、私はようやくこの土日での一人の時間を過ごせるようになった。
永川「あー。やっぱりワンオペも中々大変だよねぇ。」
お風呂から出てソファに座り、スマホを見る。
時間は9時を少し回っていた。
通知画面には、金曜日に登録したマッチングサイトから私宛にメッセージが届いている旨のメールが10通以上入っていた。
永川「本当、沢山来るねぇ。」
登録してから、これまで40通くらいのメッセージが届いていた。
永川「変な業者っぽいメールもあるからなぁ。」
土曜日の夜も子供達が寝静まってから、布団の中でメッセージをチェックしていたが、いきなり性的なお誘いや、それを匂わせてくるようなメッセージは全てゴミ箱の中へと移動させる。
永川「年齢書いてるんだけどなぁ。40過ぎのおばさんに何を期待してるんだか。」
そんな中で十数人は、真面目そうなメールをしてきていたので、その一人一人のプロフィールをチェックしてみた。
永川「う~ん。あんまり年齢が下過ぎてもなぁ。かといって、年上過ぎても…。難しいね、これ。」
そんな中で私は桔平という名前の一人の男性のプロフィールに目を引かれた。
年齢は28歳で私よりも一回り以上若いのにメッセージはしっかりした文章だった。
初めまして。
突然のメッセージ申し訳ありません。
M市在住の桔平と申します。
プロフィール拝見したところ、お互い近過ぎず遠過ぎずの距離にお住まいと思いメッセージを送信させていただきました。
私の趣味は写真にも写っておりますとおり、サーフィンが趣味で永川さんがお住まいの地域にも、良く行くことがあります。
仕事も自営業で小さいながらもショップを経営しており、時間も融通が効きます。
年齢が若過ぎると思われるかもしれませんが、私は年上の方の方が好きなタイプです。
また、既婚の方でも、ご主人様には決してバレないように配慮も致します。
もし、ご興味が湧きましたら、メッセージ返信お待ちしております。
まずはお会いして話をしてみたいです。
永川「年齢はちょっと若過ぎるし、若干ギャル男みたいな感じするけど、この人がメッセージは1番まともだよね。どうしようかなぁ……。」
小一時間他の男のプロフィールを見たりして悩みながら私はこの桔平という名前の男性にメッセージを送信するボタンを押した。
ボタンを押すと、メッセージ内容を入力する画面が表示される。
永川「う~ん……どう返信しようかなぁ……」
夜分に申し訳ありません。
メッセージありがとうございました。
40過ぎの子持ちなおばさんでも良ければお話してみたいです。
ただ、時間は午前中からお昼間くらいにかけてしか取れませんが、それでもよろしければ返信お待ちしてます。
永川「だ、、、大丈夫、、だよね、、」
送信ボタンを押す直前は心臓がドクンドクン脈打つのが自分でも分かった。
永川「何事も経験だよね!」
少しの間悩んだ末に送信ボタンを押した。
スマホ画面に、メッセージを送信しました、という文字が表示される。
永川「……送っちゃった。」
私は白色の背景にシンプルに写るスマホの送信終了の文字を暫くの間眺めていた。
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