永川「ホンッット、腹立つよねぇ。」
小坂「うちのパパが同じことしたら、私用意なんてしないし、ご飯も抜きだなぁ(笑)」
翌日は、土日で子供達の学校もお休みだったので、隣町のクリーニング店にスカートを預けた後に、私は子供達と一緒に実家に帰り一泊し、日曜日、帰宅する前に雪ちゃんの自宅に立ち寄ることにした。
雪ちゃんの家の子供達3人は本当に元気で、うちの子供2人もすぐに打ち解け、2階の子供部屋で一緒に遊び始めていた。
永川「でも、一郎君すごい大きくなったね!」
小坂「身長は私ともう並ぶくらいだからねぇ。今年は受験なのに、親子揃って、のんびりしちゃってるかも(笑)」
永川「あ、今年受験するんだ!すごいなぁ。最初に会った時は2歳くらいだったけ。あの頃は全然ちっちゃかったのになぁ。」
小坂「そうだよねぇ。あの頃はまだまだ育児という名の戦争だったね(笑)」
永川「分かる分かる(笑)あ、そういえば、御主人さんは?」
小坂「ん?仕事行ってる。」
永川「日曜日なのに?もしかして、私来ちゃったからかな?ごめんねー。」
小坂「いや、違う違う(笑)日曜日の方が仕事捗るみたいだから、でも、その分突如平日休んでくるから厄介なんだよねぇ。」
永川「あー。そうなんだぁ。うちの夫は平日休むことはしないなぁ。」
小坂「そうなの?でも、今日も出張行ってるってことは仕事なんじゃないの?」
永川「ん?知らない。もしかしたら、不倫旅行かもしれないし。」
木曜日の夜に突然出張に行くと言い出した夫に抱いた不信感を私は初めて口にした。
小坂「え?」
永川「だって、考えても見てよ?普通金曜日から出張なんてある?」
小坂「分かんないけど。うちのパパはないかなぁ。」
永川「でしょ?だから、何やってんだか分かんないよ。子供の前ではとりあえずちゃんと父親やってるけどさ。」
小坂「まぁまぁ。まだ、そうだっていう証拠ある訳じゃないんでしょ?なら、信じてあげないと。」
永川「どうなんだろうねぇ。でも、もし不倫してたとしても、最早私も責められる立場じゃないんだけどさ(笑)」
小坂「ゴメン。私のせいだよね…」
永川「いや、雪ちゃんのせいじゃないから!全然気にしないでよ!」
小坂「そうは言っても……」
永川「いいの。実際私自身も欲求不満っていうか、そういう感じになってたし。」
小坂「そうなんだね……」
永川「もう、暗くなっちゃうし、やめよ(笑)あ!そういえば木曜日さぁ。」
小坂「あ、うん。どうだった?」
私は子供達がいないかどうかを確認してから、声をひそめるようにして話す。
永川「山口君って、かなりの変態?(笑)」
小坂「そう言ったじゃん(笑)」
永川「あれはそうだよね(笑)」
小坂「えー。聞いちゃいけないんだろうけど、聞きたいな(笑)」
永川「制服着替えてきたら、壁際に立たされて。何かするのかな、と思ったら目隠しとヘッドホン着けられてさ。」
小坂「えー。私はそこまではされなかった(笑)」
永川「最初何もしてこないから、私戸惑っちゃってさー。どうすればいいの?って。」
小坂「あ、それ永川のスカートの中覗いてたんだよー。」
永川「やっぱりー?そうなんだろうな、とは思ってたけど(笑)雪ちゃんから聞いてたし、もっと良い下着にしとけば良かったよー。」
小坂「私の場合さ、制服着て非常階段登らされた(笑)」
永川「あ、もしかして山口君の部屋の横にある?」
小坂「そうそう(笑)」
永川「やだ、完全に変質者じゃん(笑)どうして男の人って、女の下着そんなに見たがるんだろうね(笑)」
小坂「ね(笑)で、最後までしちゃったの?」
永川「いや、私が緊張しまくってたの伝わりすぎちゃって、最後まではしなかったよ。」
小坂「あ、そうなんだ。」
永川「雪ちゃんは、毎回最後まで?」
小坂「ん?いや、キャンプの日以外は最後までしてない。」
永川「あ、そっか。」
ふと、キャンプの日に見た光景が頭に浮かび、山口のモノを経験している雪ちゃんに、ほんの少しだけ嫉妬してしまう感情があった。
永川『やっぱ、積極的な女性の方が皆いいよね。』
小坂「でも、あんまり山口君としすぎてもさ。」
永川「ん?」
小坂「山口君の大きさとか形に慣れたくない、っていうか何ていうか…」
永川「あっ!そういうことね!」
小坂「いや、別に主人とのセックスが気持ちよくないとかじゃないんだけど、お互いに感情の高ぶりとかあるからね。」
永川「やっぱり、それ重要だよねー。うちなんて、感情もないからなぁ。特に夫が。だから、私の場合は気にならないかも。まぁ、最後までやってないんだけどさ(笑)」
小坂「実際にやってみないと分からないところはあるよね。」
永川「結局、山口君は後ろから痴漢みたいにお尻触ってきて、あれを押し付けてきたから、ゴムだけは付けてー、ってお願いはした。」
小坂「あー、そうだよね。永川は普通分娩だから避妊手術はしてないもんね。」
永川「そうそう。流石に子供出来ちゃうのはまずいからね。あ!そうだ!美起ちゃんのこと、山口君から聞いたよ。」
小坂「あ、聞いた?中尾もね。相談してくれたら良かったのに、とは思うんだけど…。でも、あの子なりに悩んだんだろうから。」
永川「まぁ、子供産むっていうのはね。」
小坂「それに、今はヨシ……」
こう言いかけた瞬間に雪ちゃんは、一瞬はっとした顔になった。
永川「よし?吉本君?」
小坂「あ、ううん?違う、違う。今はヨシと山口君も連絡取り合ってて、色々相談してるみたい。」
永川「あ、そうなんだ。山口君と吉本君もずっと仲良かったもんね。」
小坂「うん。まぁ、きっとまた皆で笑える日が来るよ。」
永川「そうだね。そうなるといいね。」
私は雪ちゃんの入れてくれたお茶に口をつけた。
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